[これが Semi Pro なら・・・:image]
「MACお宝鑑定団」発のウワサが世界的に話題になっている。
その中で Robert Cringely の反応が注目を引いた。
I, Cringely: “Is the Mac Pro dead?” by Robert X. Cringely: 23 August 2011
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Mac Pro ラインは死んだ
日本発のウワサが昨日浮上した。アップルが今年末までにガラリと変わった新しい Macintosh コンピュータを出すというのだ。そうだ、新種の Mac、まったくタイプの異なる Mac だ。このホントかどうか分からないウワサを1ダースをこえるサイトが取り上げた。アップルの話題ならホットだし、ひょっとしたらホントかもしれないというわけ。同じ思いで私の想像するところをいえば、アップルの Macintosh Pro ラインアップは死んだと考えるべきだと思う。
A rumor surfaced yesterday in Japan that Apple would by the end of the year introduce a radical new kind of Macintosh computer. That was it — new Mac, radical — yet dozens of sites ran with this non-information simply because Apple is a hot company and, who knows, it might be correct. In that same spirit, then, here’s my guess about what might be correct: I think Apple’s Macintosh Pro line of computers is dead.
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Mac Pro のアップグレードはない
Mac Pro はアップルのビッグボックス PC だ。昨年夏以来更新されていない。新 Mac Mini と一緒に今月新しいモデルが出るはずだったが、どういうわけか新 Mac Pro の発表はなかった。アップルからは何も話がないというか、そもそもアップルは何もいわないので、私のような予想屋が勝手に本当かどうか分からない話(この話も含めて)を書くわけ。一方 Mac 評論家たちは新 Mac Pro の登場を待ちかねているようだ。しかし決してそれは登場しないだろう。その代わりアップルは高性能コンピュータへのアプローチをまったく変えてしまうだろう。ひょっとしたら日本のライターが取り上げようとしたのはそういうことだったのかもしれない。
Mac Pro’s are Apple’s big box PCs. They haven’t been refreshed since last summer and new models were expected this month with the new Minis, but for some reason the new Mac Pro’s failed to appear. Apple said nothing because, well, because Apple never says anything, instead relying on dopes like me to write non-stories like this one. But while the Mac pundits are generally still waiting for new Mac Pro’s to appear, I don’t think they are coming at all and will be replaced with a whole new approach toward high performance computing from Apple. Maybe this is what the Japanese writers are picking up on.
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シンプルな製品ラインアップ
Mac Pro はアップル最強のコンピュータだ。もっとも新 Mac Mini I7 サーバーはかなりそれに近いが。そのことから次のように予測するわけだ。アップルはシンプルな製品ラインアップを好む。だから昨年 xServe ラインを廃止したように Mac Pro もやめてしまえばラインアップは確かにシンプルになる。
Mac Pro’s were Apple’s most powerful computers, though the new Mac Mini I7 servers get pretty darned close, and that’s part of my point in making this prediction. Apple likes a simple product line and eliminating the Mac Pro’s, just as Apple last year dropped its xServe line, would certainly simplify things.
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ストレージはクラウドへ
Mac Pro はいろんな点で恐竜に似ている。よく考えられた空気ダクトを備えた大きくて美しいアルミの筐体は8年を経た代物だ。たいていの PC と比べてもデカイ。未だに存在し続けるのは、ユーザーがドライブを追加し、ハイエンドゲームのためサードパーティ製グラフィックスカードを搭載するためだ。しかしアップルはストレージに関するアプローチをまったく変えようとしている。可能な限りノースカロライナの巨大データセンターに移行しようと考えているのだ。アップルは純正でないカード(いやカードそのもの)をアップル製マシンに搭載するのを嫌う。そこへ新しく毎秒10GB、デュアルチャンネルの Thunderbolt ポートの登場だ。それをどう取り入れるのか?
Mac Pro’s are dinosaurs in many respects. That big beautiful aluminum case with its clever air ducting is eight years old and enormous compared to most PCs. It exists primarily to allow users to pack their Macs with extra drives and third-party graphics cards for high-end gaming. But Apple is changing its whole approach to storage, presumably moving as much of it as possible to that big North Carolina data center. Apple hates foreign cards (or indeed cards at all) installed in its machines. And then there’s those new 10 gigabit-per-second dual-channel Thunderbolt ports; where do they come in?
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モジュラーなアーキテクチャ
アップルはモジュラーなアーキテクチャに移行すると私は考える。高性能コンピュータの基本単位は Mac Mini になる。新 Mac Mini ないしは Thunderbolt iMac がスタートだ。ストレージと処理能力は Thunderbolt でつながれた Mini を最大5台まで積み上げることによって解決する。最大システムは 24 コアの I7 プロセッサが6個、24 GB の DDR RAM(最大 96 GB!)、ストレージは最大 6 TB だ。Mac Pro を同じようにド派手に拡張したものに比べても、このシステムなら半値の 6000ドルだ。
I expect Apple to move to a modular architecture where the building blocks for high performance computers are generally Mac Minis. Start with a new Mini or with a Thunderbolt iMac and expand both storage and processing by adding a stack of up to five more Thunderbolt-connected Minis. A maxed-out system would have six I7 processors with 24 cores, 24 gigabytes of DDR RAM (expandable to 96 GB!) and at least six terabytes of storage. And at $6000, it would be half the price of an equivalently tricked-out Mac Pro.
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GPU は?
それじゃ、GPU[Graphics Processing Unit:グラフィックス・プロセッシング・ユニット]はどうする? プロのゲーマーが Mac Mini ラインのいささか非力なインテル製統合グラフィックスで満足するだろうか? そこでディスプレイの登場となる。
Yeah, but what about the Graphics Processing Units (GPUs)? What real gamer wants to be limited to the somewhat lame integrated Intel graphics found in the Mac Mini line? That’s where the displays come in.
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次期 Thunderbolt ディスプレイ
アップルの Cinema Display はいまだ魅力的だが、プライスパフォーマンス的には割高だ。パフォーマンスに比べて価格が高すぎるのだ。しかしアップルが PC メーカーであるためにはディスプレイが必要だ。価格競争に太刀打ちできるものを出すか、それともまったく新種のものが必要だ。それが次期 Thunderbolt ディスプレイだと思う。
Apple’s Cinema Displays, while still lovely, have fallen way down the price-performance curve. They are too darned expensive for what you get. But Apple can hardly be a PC company without displays. They need to either (shudder) start to compete on price or more likely find us a new flavor of Kool-Aid, which I think we’ll see in upcoming Apple Thunderbolt displays.
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Light Peak ディスプレイ
目下マーケットにはたった2種類の Light Peak ディスプレイしかない。Light Peak ということばを使ったのは、Thunderbolt はアップルの外の世界ではそう呼ばれるからだ。ひとつはアップル製でもうひとつはソニー製。それぞれ異なるコネクタを使う。ソニーのディスプレイがアップルにヒントを与えたのだと思う。ソニー製は統合 GPU を搭載している。アップルの新しい Thunderbolt ディスプレイも GPU を搭載するかもしれない。まだ誰も知らないようだが・・・
There are only two Light Peak displays on the market right now. I use the term Light Peak, which is what Thunderbolt is called in the non-Apple world, because while one display comes from Apple the other is from Sony and uses a different connector. I think that Sony display gives us a hint to Apple’s plan, because the Sony screen features an integrated GPU. The new Apple Thunderbolt display may include a GPU, too, but nobody seems to know.
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GPU 内蔵ディスプレイ
ディスプレイに GPU 搭載するもっともな理由がある。膨大な計算もつまるところディスプレイを駆動するために必要なのだ。GPU をスクリーンに内蔵すれば、ビデオメモリーとディスプレイピクセルの間を最大情報量で処理できる。GPU をスクリーンにうまく内蔵できれば、高性能ディスプレイの製造コストが安くなる可能性もある。正しいかどうか分からないが、いずれアップルからそんな発表を聞くのは間違いないと思う。
There are good reasons to put the GPU in the display. All those zillions of calculations, after all, are being performed specifically to drive the display. And putting the the GPU inside the screen allows the highest possible bandwidth connection between video memory and display pixels. In some ways putting the GPU in the screen may actually make the screen cheaper to build at such a high performance level. Whether that is true or not, I am sure it is what Apple will tell us.
アップルが 27 インチや 30 インチ Retina ディスプレイを発表する段になったら、統合 GPU が搭載されていることを賭けてもいい。
When Apple announces a 27-inch or 30-inch Retina Display, you can bet it will have an integrated GPU.
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ボーイング 737
ドッカーン!アップルは 3000 ドルディスプレイの販売ビジネスに復帰する。ハリウッドも、ニューヨークもサンフランシスコもみな買い求める。Mac Mini は高性能コンピュータのボーイング 737 になる。その時点になれば、サードパーティの Thunderbolt アクセサリーのマーケットも大きく動き出すだろう。
POW! Apple will be back in the business of selling $3000 displays and Hollywood, New York, and San Francisco will be back in the business of buying them. Mac Minis will become the Boeing 737 of performance computers. And Apple can at that point probably drive enough connections on its own to create a vibrant market for third-party Thunderbolt accessories.
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当たるも八卦
私は間違っているかもしれない。
Or I’m wrong.
日本人なら知っているかもしれない。
Maybe the Japanese will know.
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この線に沿った日本発ウワサの続きが出ればオモシロいのに・・・
★ →[原文を見る:Original Text]
単にインテルのロードマップに準じてるだけだと思いますけども。
Mac proはワークステーショという認識でいます。
使用CPUはXEONです。一般のCPUとペースが違います。
デルやHP等の他のメーカーの同じカテゴリーを見れば、この開発ペースに、
なんら不思議はありません。
とはいっても、仕事でメインで使ってる事もあり、アップルネタで
一番興味があるのはMac proです。新型も非常に期待してます。
[…] Mac Pro は死んだか « maclalala2 […]
面白いです。紹介して下さってありがとうございます(。-_-。)
MacProを仕事で使っていますが、どこか満たされないマシンだと感じます。
スペックも不十分、拡張性も不十分。コアの数が増えても活かしきれない
サポート不十分なプロソフトウェア群などなど。
記事にあるような最小単位のMac miniのようなものなMacで構成される
レゴブロックのようなプロマシンが出ると素敵ですね。
それこそAppleらしいと思うのですが。
MacPro early 2008 をグラボ交換+ssd化の延命で現役続投中です。
非常に興味深い記事内容です。特にモニターへのGPU搭載は現実的な意見だと思います。ジョブズなきAppleなら平気でProユーザーを切り捨て、ミニマム文房具への道を突き進むことでしょう。
Mac Proは、唯一アップルの美学を無視した Mac かと思います。
美学というのは適当でないとも思いますが、アップルが一般ユーザに使ってもらいたいと思う、外形デザインはもちろん、性能やディスプレイ、消費電力や拡張性とそのバランスなどの意味です。
私は一体型でないデスクトップ機が好みですが、あまり性能の高くない Mac miniを除き iMac 程度の性能のディスプレイ無しのデスクトップ Mac を出さないのは、アップルの美学によるものかと思います。
それによって、ユーザが小さな狭いディスプレイや、品質の悪いディスプレイを使って、使い勝手やユーザ体験が悪くなることを防いでいるのかと思います。
Mac Pro は、そういった一般向けMac の機能などで満足できない人向けに、ユーザやサードパーティーに対して拡張性を与え、またサーバにも使える信頼性や安定した冷却性能も与え、その代わり一体感や消費電力が犠牲になっているように思います。
もちろん、その拡張性を確保する中で、最大限のアップルデザインが行われていますが。
Mac Proの形や、一見したスタンスが変わることがあっても、サーバにも使える信頼性や安定した冷却、ユーザやPCI-Expressでの拡張性を持った Macがなくなることはないかと思います。
基本的には、SandyBridge版の Xeon待ちの状態かと思います。
コンパクトになる代わりにハードディスクの搭載数が減ったり、2.5inch仕様になり、多くのハードディスクが必要な人は Thunderboltを使用するというくらいの可能性はあるかと思いますが。
あと、GPU内蔵ディスプレイというのもあり得るとは思いますが、おそらくそれは MacBook Airなどの非力なGPUを搭載する Mac向けで、搭載するとしても iMacのGPU程度かそれ以下になるかと思います。
Thunderbolt経由ではGPGPUなどで性能が出ませんし、中にはNVIDIAのCUDAを必要とする人もいると思いますので、そのような拡張性は用意されると思います。(NVIDIAが、そのGPUを出すかは分かりませんが。)
でも、Mac miniの冷却性能が大きく改善され、Thunderboltで HPCクラスタなどを構成できれば面白いかと思います。
yuyamaさん、私も同意見です。3Dを使った映像制作の仕事をしていますが、Macproがなくなってしまえば、Macから離れざるを得ません。
仕事でmacproを使用していると書いている方で、macproがなくなる事を臨んでいる方がおられましたが、その方はきっと、macproほどの性能が必要ないのに使ってしまっているスペック音痴な人だと思います。
そういえば、Mac Proに Thunderboltがどのように実装されるのか少し疑問です。
Thunderbolt はGPUからのディスプレイ出力と PCI-Expressを使いますが、GPUからディスプレイ出力をロジックボードに戻すのも難しそうです。
AMDなどの (Mac Pro向け)GPUカード自体に Thunderboltを搭載してしまうのか、Mac Proであれば、ディスプレイ信号のない Thunderboltをロジックボードに搭載し、GPUにはMini-Display Portと分離しても良いように思います。
PCI-Express信号とディスプレイ信号をまとめたのも、ポート数に制限があり使用されることもあまり多くない MacBook Proや iMacでは有用ですが、Mac Proでは DisplayPort も PCI-ExpressとしてのThunderboltも共に使用する機会も多く、別に分けたほうが良さそうにも思います。
(ディスプレイ信号がなくても Thunderboltと言うのか分かりませんが、アップルの命名ですので。)
Mac Proがアップデートされないのは単純にXeonのラインナップが更新されていないから。それだけのこと。
SandyBridge-Eが出るころにまず間違いなく更新される。
Mac miniとMac Proでは比べ物にならないんですけどね。。
会社ではMac mini 2011を8GBにしてもらって、
家では初期のを12GBにして使っていますが、それでも雲泥の差です。
Mac mini ではHDDがひとつしかないのでスペックは落ちるし最悪ですね。
MacPROってPRO向けですよね。
一般向けじゃないのだから、もっと
とがっていいとおもうのですが。
アップルがまともならipod、iphoneまでに
同社を支えたのはプロシューマーであることを
忘れないで。多くのミュージシャン、広告プロ
(動画、静止画、CGなど)にはMacPROが
必要です。