・原油価格の下落は“投機の時代の終わり”を示す|ダイヤモンド・オンライン
急激な価格下落は、投機資金の動向変化によるとしか考えられない。アメリカ金融緩和が引き起こした投機が終わって、投機資金が原油から逃げ出したのだ。
この10年程度の期間にわたって、世界的な規模で投機が発生していた。アメリカ住宅価格バブルから、ヨーロッパの住宅価格バブルへ、そして南欧国債のバブルへと、対象はつぎつぎに変わっていったが、基本的原因は、先進諸国(とくにアメリカ)が金融緩和をしていたため、投資資金の調達が容易だったことだ。
しかし、米金融政策の縮小で投機資金の調達が困難になり、こうした投機のサイクルがついに終わったのである。リスクの高い投機先から資金を回収する「リスク・オフ」現象が発生しているのだ。
投機資金引き揚げは、原油市場でも起こる。それに加えて原油価格の先行きが不透明になっているため、原油価格が急激に下落したのである。