[Larry Page at Google I/O 2013:photo]
WWDC に相当するグーグルの開発者向け会議 Google I/O が終わった。
いろいろな反応の中で最も強烈なのは John Gruber ではないか・・・
Daring Fireball: “Google Versus” by John Gruber: 15 May 2013
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I/O で Larry Page いわく:
Larry Page, on stage at I/O today:
グーグルについて書かれたものはどれも「グーグルをほかの他社と比べる」類いのバカげた話で、読む気にならない。これまで存在しなかった何か偉大なもの(great things)を我々は造り出すべきなのだ。ネガティブ思考では進歩はない。最も大切なものはゼロサムではない。まだいくらでも可能性はあるのだ。
Every story I read about Google is “us versus some other company” or some stupid thing, and I just don’t find that very interesting. We should be building great things that don’t exist. Being negative isn’t how we make progress. Most important things are not zero sum, there is a lot of opportunity out there.
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よりベターなモノ
この偽善的な仲良し発言(kumbaya stuff)をグーグルファンは額面どおり受け取り、信じているようだ。しかしグーグルは iPhone の後に Android を作った会社だ。Facebook の後に Google Plus を作り、そしてこんどは Spotify の後に音楽サブスクリプションサービスを出すような会社だ。RSS リーダーの市場へ参入し、根こそぎにして、そして辞めていく。Gmail はどうかって? Webmail と同じモノで、もっとベターというだけ。ウェブ検索だってそうだ。グーグル検索は何か新しいモノというワケではない。よりベターなモノというだけだ。たしかに格段に、はるかにベターではあるが、それでもベターというだけのことだ。
Google fans seem to eat this kumbaya stuff up, to really believe it. But Google is the company that built Android after the iPhone, Google Plus after Facebook, and now a subscription music service after Spotify. They entered the RSS reader market, wiped it out, and are now just walking away from it. Gmail? Webmail but better. Think about even web search: Google search wasn’t something new; it was something better. Way, way, way better, but still.
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果てしなき野望
地図のことを考えてみよう。MapQuest その他が長年やってきた市場へ Google Maps が参入してきた。「これまで存在しなかった何か偉大なもの」などではない。すでに存在していたモノをよくしただけだ。グーグルは極端に競争心の強い会社だ。何度も既存の市場に参入して、ライバルをつぶした。それが悪いワケではない。資本主義ってそんなものだ。グーグルの成功は尊敬に値する。しかしグーグルを他と比較して考える(Google being pitted “versus”:グーグルが他のマネをしていると考える)のはバカげたことではない。グーグルはすべてを手に入れんとする。その野望には果てしがないのだ。
Consider maps. Google Maps entered a market where MapQuest and others had been around for years. That wasn’t something great that didn’t already exist. It was a better version of something that already existed. Google is a hyper-competitive company, and they repeatedly enter markets that already exist and crush competitors. Nothing wrong with that. That’s how capitalism is supposed to work, and Google’s successes are admirable. But there’s nothing stupid about seeing Google being pitted “versus” other companies. They want everything; their ambition is boundless.
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歯に衣着せぬ Gruber 流にカチンとくるグーグル陣営も多いだろう。
案の定ただちに反論が出て、それに Gruber がまた反論している。
WWDC の後にはどんな言われ方をするだろうと気がもめる。
しかし Gruber が強烈だと思っていたら、もっとスゴいのがいた。Mat Honan の「グーグルアイランドへようこそ」(Welcome to Google Island)だ。(このスゴさを日本語で味わうには satomi 氏のご登場願わずばなるまい・・・)
★ →[原文を見る:Original Text]
愚かな信者同士の醜い争いとしか…
「俺知ってたわー、先にやってたわー」みたいな話。
人類の発明なんて、そのどれも過去の資産からの積み重ねでしかないんですけどね
(追記)
発明者は、他のサポーターより人類の進歩に対する貢献度が高いというのは、無論のことですけど。
でも、アップルだって「再定義」は得意だけど、あっと驚くような「発明」なんてしてないですしね。
ジョブズのプレゼン力で「あっ」と驚かせてただけで。
Androidに関して、oracleとのjavaの訴訟やappleとのiPhone特許訴訟など、いろいろと際どい感じが拭えなかったですが、ここに来てErick Shumit やAndy Rubin を第一線からひかせ、創業者2人としては今まで必要にせまられやってきた事に一定のくぎりをつけ、次の時代を新たに自分達でかじとりしたいという思いが強いように思います。 それがどのようになるかはまだわかりませんが?