[元 NSA 局員 Edward Snowden:The Independent]
気になるニュース・・・
アップルが中国のネットセキュリティ評価受け入れるというニュースが中国から耳に入った。
米アップルが中国のネットセキュリティ評価受け入れ―中国メディア | Yahoo!ニュース
米アップル、中国のネット製品審査を受け入れると約束か | 大紀元
Report: Apple agrees to Chinese security audits of its products | PCWorld
苹果表态愿意接受中方网络安全审查 | 新京报网
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アップルが中国のネットセキュリティ評価受け入れ
報道によると、魯イ[鲁炜]主任はアップルに対し、市場開放の前提として、中国消費者の情報セキュリティやプライバシー、国家の安全を保証することを要求。クックCEOとの会談ではアップル製品の中国地区での安全保障問題がテーマとなった。クックCEOはiPhoneやiPadなどのネットセキュリティ評価を受け入れることで、ユーザーの安心感を確保する意向を伝えたという。
報道が事実だとすれば、アップルは中国のネットセキュリティ評価を受け入れた初の海外大手テクノロジー企業となる。
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「ネットセキュリティ評価」(security audits、安全审查)というのが何を意味するのかよく分からないが、少し前に読んだある記事のことを思い出した。
NSA[米国家安全保障局]による個人情報収集の手口を告発した元局員 Edward Snowden[エドワード・スノーデン]に関するものだ。
ロシアに滞在中の Snowden が iPhone について次のように語ったという。彼の弁護士 Anatoly Kucherena が Sputnik に明らかにしたものだ。
Snowden Refuses to Use iPhone for Security Reasons | Sputnik International
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iPhone には特別なソフト
「Edward Snowden は決して iPhone を使わなかった。持っていたのは簡単な電話だった・・・。 iPhone には特別なソフトがあって、持ち主が起動してボタンを押さなくても、(遠隔から)持ち主に関する情報を収集できる。だからセキュリティ上の理由で彼は iPhone を使わなかったのだ」と Anatoly Kucherena は RIA Novosti に語った。
“Edward never uses an IPhone, he’s got a simple phone… The iPhone has special software that can activate itself without the owner, having to press a button and gather information about him, that’s why on security grounds he refused to have this phone,” Anatoly Kucherena told RIA Novosti.
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司法機関といえども iPhone から個人情報を抽出するのは困難だと信じてきたので、そんな遠隔監視ソフトが iPhone にあるなんてまったくの初耳だった。
しかし他ならぬ盗聴組織を盗聴した専門家のいうことだけにどうも気にかかる。
そういえば、Snowden が携帯電話のことを非常に警戒した話はよく知られている。
ロシアの滞在許可を得る前、彼は香港に一時滞在していた。その時の話だ。
Hasty Exit Started With Pizza Inside a Hong Kong Hideout | NYTimes.com
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携帯電話を冷蔵庫に
まるでスパイ小説のようだった。Snowden 氏は野球帽をかぶり、サングラスをかけていた。そして集まった弁護士たちに香港の隠れ家の冷蔵庫に携帯電話を入れるようしつこく迫った。いかなる盗聴といえども防ぐためだ。そして2時間の話し合いが始まった・・・
It was a cloak-and-dagger affair. Mr. Snowden wore a cap and sunglasses and insisted that the assembled lawyers hide their cellphones in the refrigerator of the home where he was staying, to block any eavesdropping. […]
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冷蔵庫がいわゆる Faraday cage[ファラデーケージ、ファラデーの籠]というワケだ。
盗聴のプロがそれほど怖がるからにはそんなソフトが実在するのだろうか? どうも気に懸かる・・・
「ネットセキュリティ評価」と聞いて、はしなくも香港の冷蔵庫に携帯電話を入れさせた Snowden の話を思い出した。
もっとも彼に他国への亡命を思いとどまらせてロシアの滞在許可をとるよう説得したのが弁護士 Anatoly Kucherena であり、また彼はクレムリンとの密接な関係をウワサされる人物でもあるところからますますスパイ小説じみてくるのだが・・・
iPhoneに特定のスパイウェアが仕込まれているというのはないと思う。スマホ一般のことをiPhoneと言ったのではないかな。たしかにこれだけスマホが多機能になるといつでも個人情報が流出する危険性はあるが。
ところで中国政府がユーザーの安全を守るためにiPhoneのセキュリティの監査をするというのはきわめてアヤシイ。国民のためバックドアの有無を調べますとか調子のいいこと言っといて、実は自分たち用のバックドアをつくろうとしているんじゃないの?アメリカのFBIの場合はむしろ正直に犯罪捜査のためスマホのバックドアを作って欲しいと訴えていたハズ。
ビックブラザーの考えることはどこでも同じ。どんな名目でもiOSのソースコードを明かすような愚は犯さないで欲しい・・・