iPhone 過熱問題など消費者クレームに対処するため新手の方法をアップルが考えているようだ。
New Scientist: “Apple plans ‘abuse spy’ for your iPhone” by Paul Marks: 06 August 2009
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消費者にも責任あり
iPhone や iPod の返却交換はもうたくさんだとアップルがいっている。彼らから見れば酷使・乱用して使えなくしたのは消費者だというわけだ。
Apple says it has had enough of giving people replacement iPhones and iPods when, in their view, it is the consumer who has abused the gadget and rendered it inoperable.
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スパイシステムの特許申請
[US patent application 20090195394 Fig. 9]
そこで今日アップルは、一種のスパイシステムを機器に埋め込む特許申請をした。このスパイシステムにより「消費者の酷使状態」を記録、交換要求時点でアップル側に明らかにしようとするものだ。
So today the firm has filed a patent on a kind of spy system that sits inside gadgets to record “consumer abuse events” and reveal them to Apple staff when you ask for a replacement.
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製造欠陥か酷使か
「往々にして現場スタッフは、返却されたデバイスが製造欠陥によるものか、それとも消費者の酷使によるものか判断すべき資格も訓練もないことが多い」と特許申請 20090195394 号には記されている。
“Often, particularly at a point of sale, personnel receiving the returned device may be unqualified or untrained to determine whether or not a device has failed due to manufacturing defects or due to consumer abuse,” the company explains in US patent application 20090195394.
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特別なセンサーで分る
アップルは、水濡れ、高温放置、落下ショック、さらには密封ケースを開けて「内部パーツを追加、削除、変更」したかどうかなどを察知できるセンサーを使用する計画だ。
Apple’s plan is to use sensors that can detect liquid exposure, high temperatures, high g-force shocks, and the opening of the sealed casing for the “adding, removing, or altering of the internal components”.
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例えば・・・
iPhone 3GS の特定モデル過熱問題が起きているときにこの申請は行なわれた。アップルはこれらのモデルが設計許容をこえる高温環境、例えば日中車のダッシュボードに放置されたのではないかと反論している。この特許技術が認められれば、こんな場合に役立つことになる。
The filing comes as Apple is taking some flack for alleged overheating of some models of the iPhone 3GS. The firm has countered that the machines have probably been operated in hot conditions beyond its design capability; perhaps after being left on a car dashboard in the sun. The technology in this patent could help it support that case.
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気持ちは分るような気もするが・・・
★ →[原文を見る:Original Text]
センサーだけで製造責任か消費者責任かを判断して有償・無償を決めるのはメーカーとしては、どうかと思う。
機器の基板など内部を見ればある程度分かる。水浸入なら腐食が発生している。
落下ならケースが破損している場合が多いが、ケースにキズが無くても内部の状態で分かることもある。
温度問題は一番難しい。使用周囲温度は40℃までと謳っている機器が多いですが、実際、部品レベルでは85℃以上でも耐えられる筈。これは機器を使用している時に発生する熱との相乗問題もある。特に最近の機器は高温になり易い。これも、センサーだけで判断させるのは問題だ。
最近、私が所有しているMacBook Proが故障したが、アップルケアの修理対応には柔軟性が全くない。大阪のアップルストア店へ持って行き交渉するつもりです。
アップルも柔軟性を持って対応しないと顧客が離れていくでしょう。
少なくとも日本のメーカーはアップルより柔軟な対応をしてくれる。
[…] 消費者のひどい扱いを見抜く特許 [Steve Morgan / The Times] iPhone […] […]
前コメントの補足的なことですが。
私も電子機器メーカーのクレーム処理屋のような仕事をしておりますので、この記事は非常に関心を持って見ました。アップルサポート担当者の気持ちは痛い程分かります。
しかし、機械的に処理するということは避けるべきだと思います。相手は人間ですから、デジタル信号のように1か0かのような判定をすることは愚かです。
明らかに顧客の取り扱い上の問題で不適合品となってクレームを付けられて、甘い対応をしても、会社全体の売り上げは伸びる時は伸びる。
それよりも、厳しい対応をする方が中長期的に見れば危険なように思われます。
ことわざに「損して得取れ」と有ります。(アメリカにあるかどうかは知りませんが)
少なくとも、このようなアメリカの合理主義的考えは日本では受け入れられないでしょう。
度々お邪魔します。
クレームと言っても、脅迫は毅然とした態度で対処することが大事というのは言うまでも有りません。
> TORIO さん
クレーム処理は なかなかむずかしい問題ですね
ユーザーから見れば 納得できるシステムとして構築され 運用されるか ということでしょうか・・・