デベロッパの視点から書かれた興味深いコメントがある。
比喩がとてもおもしろいと思った。
funkatron.com: “We’re the Stupid Ones: Facebook, Google, and Our Failure as Developers” by Ed Finkler: 15 February 2010
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iPad のインターフェイス
最近 iPad が登場したことによって、コンピュータといかに付き合うかという議論が白熱している。自分を含むギークなタイプは、アップルが発表したのは「タブレットコンピュータ」ではなく、「でかい iPod Touch」だったことにいら立った。たしかにどちらもコンピュータではあるが、付き合い方が異なるのだ。現代のコンピュータインターフェイスはマルチタスキングとウインドウ環境をモチーフとしているのに対し、iPod/iPad のインターフェイスはフルスクリーンとシングルタスクを中心としているからだ。
Discussion about how we interact with computers heated up recently with the introduction of the iPad. Lots of nerdy types (myself included) were frustrated that Apple had introduced not a tablet “computer,” but a big iPod Touch. They’re both computers, of course, but the way we interact with them is different: the modern computer interface uses a multitasking windowing motif, and the iPod/iPad interface is fullscreen and single-task focused.
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しかるにその他大勢の一般ユーザー(the rest of us)にとっては、コンピュータなんて仕事さえできればいい道具にすぎず、システム内部なんかどうでもいいのだ、と Ed Finkler は続ける。
そしてギークやナードは、そういう一般ユーザーの視点に気付くべきだという。
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Photoshop の問題
これは Photoshop の問題とよく似ている。画像を取り扱おうとするひとに我々は Photoshop を与える。Photoshop は怪物のように巨大なアプリケーションだ。画像編集のほぼすべて、考えうる修正機能のすべてに対応できる。しかし同時にとんでもなく複雑だ。Photoshop はすばらしいツールだが、そのパワーを必要とするのはほんのひと握りのひとだけだ。ほとんどのひとは、友だちに見せるために写真から別れた夫の姿を取り除くといった簡単なことが出来るだけでいいのだ。おじいちゃん・おばあちゃんでもカンタンに使えると鳴り物入りのアップルの iPhoto でさえ、次から次へと機能や複雑さを付け加え続けている。
It’s kind of like the Photoshop Problem: when people want to crop a picture, we give them Photoshop. Photoshop is a behemoth application with nearly every image editing and touchup function imaginable, and it is terribly complex. Now Photoshop is an impressive tool, but only a very tiny percentage people need the power it offers. The vast majority just want to crop their ex-husband from the photo and let their friends look at it. But even iPhoto, the poster child for Apps So Easy Your Grandparents Can Use Them, continues to pile on features and complexity.
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エレベータか飛行機か
上に昇るのにエレベータが必要だとみんながいうのならエレベータを与えればいい。与えるべきは飛行機なんかじゃない。なのにこの30年というもの、我々は彼らに飛行機を与え、あまつさえ、おバカな連中がうまく操縦できないと笑いものにしてきたのだ。
When folks need an elevator, we should give them an elevator, not an airplane. We’ve been giving them airplanes for 30 years, and then laughing at them for being too stupid to fly them right.
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おバカはどっちだ?
おバカなのは我々の方だと思う。
I think we’re the stupid ones.
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iPad を考える上で大切なポイントがここにあると思う。
★ →[原文を見る:Original Text]
Technorati Tags: Apple, Geek, iPad, Nerd, The Rest Of Us, UI
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こんにちは。
最近、rest of usって「普通」の人って訳すのが良いのかもしれないと思えてきました。restって残りって意味がありますけど、言ってみれば、パソコン好きな人が勝手に先に行っているだけで、そうじゃない人はてくてく歩いているわけで、取り残されてるわけでもないんですよね。
とはいえ、僕はやっぱりiPadにMacBookの代わりを求めたくなってしまいますけど。
そのエレベーターでは行けないところ(Flash)があるとか、
乗るにはまず飛行機(母艦PC)を持っている必要があるとか、
そういう問題がなければ同意できるんですけどね。
the rest of usのためには
シングルタスクというよりむしろシングルフォーカス
と捉えるべきなのかなと、以前の記事と併せて感じるようになりました。
(iPadもコンピュータとしてみると、立派にプリエンプティブなマルチタスクのはずですし、たしか)
たしかに母艦が必要という点ですが、そのうち関係なくなりそうな気も。iPhoneではアクティベーションとかアップデートとかで必ず必要ですが、
アプリや曲、アドレスなどは、その気になると自己完結しなくもないし、mobile meでバックアップも出来るし。
iPadは、ネットサービス(クラウドとか)を利用していく中で母艦との関係性を徐々に変えていくのではないかと妄想してます。特に、キーボードやSDカードリーダー&VGAアダプタなんかを出しているあたりを見ると。(プリンタだってすでにワイヤレスになってきてますから)。
きっと、the rest of us を we とよべる頃に。
> noctis さん
the rest of us → ギーク以外のひと(少数派)→ その他大勢のひと(多数派)→ 普通のひと → we
> undo さん
たしかに 母艦をどう考えるか 大きなポイントでしょうね
> manta さん
incremental な アップルのやり方を考えると 新しいカテゴリーが成立するには いくつステップが必要か 考える方がいいのかもしれません
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