[HyperCard:image]
初期の Macintosh に感じるあの何ともいえない懐かしさは何だろうか・・・
筆者の場合は HyperCard が果たした役割も大きい。
The Loop: “Happy 25th anniversary, HyperCard” by Peter Cohen: 11 August 2012
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25年前の今日 Macworld Expo Boston で登場
Kelly Guimont[TUAW]から:
Kelly Guimont for TUAW:
25年前の今日、HyperCard[ハイパーカード]が Macworld Expo Boston で発表された。ギークでない一般人向け(for the rest of us)のためにアップルが出したソフト開発キットだったが、1987 年8月11日以降、新しい Mac にはすべて必ず搭載されるようになった。単独で買えば 49 ドルだった。1 MB のメモリー(そう、たった1メガバイトだ)と 800K のフロッピーディスク2枚、あるいはフロッピーディスク1枚とハードディスクが必要だった。(同時に発表されたのは ImageWriter LQ、Apple Fax Modem、MultiFinder などだった。) 今から考えれば隔世の感がある・・・
Twenty-five years ago today, HyperCard was released at Macworld Expo Boston. Apple’s software construction kit for the rest of us began shipping on every new Mac as of August 11, 1987; you could also buy it for $49. It required 1 MB of memory (yes, one megabyte) and a pair of 800K floppy drives, or one floppy drive + a hard disk. (Announced at the same time: the ImageWriter LQ, the Apple Fax Modem, and MultiFinder.) Times have indeed changed.
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特定世代のユーザーには忘れられない
特定の世代の Mac ユーザーは HyperCard からインスパイアされたものだ。それまで考えもしなかったやり方で自分のマシンを直接操作できるのだから。自分でスタックを作成し、料理レシピーの記録からビジネスソフト、ゲームにいたるまであらゆることが出来た。(Myst も最初は HyperCard のスタックとしてスタートしたのは有名な事実だ。)
HyperCard inspired a generation of Mac users to think about how they could interact with their machines in ways they never could before – creating their own stacks to do everything from keep track of recipes to business applications to games (Myst, famously, started as a HyperCard stack).
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[Danny Goodman の HyperCard 入門書]
夢中になって読んだ Danny Goodman の解説書『The Complete Hypercard Handbook』(1987 年刊、720 ページ)は、今もボロボロになって手許に残っている。
文字通り「ギークでない一般人向け」(for the rest of us)のすばらしいソフトだった。
当時点字の学習で四苦八苦していたウチの奥さんのために、HyperCard でカナ・点字変換ソフトを作ったのも懐かしい。
それぞれの画面を1枚のカードと考え、それをつないでいくことで HyperCard が出来るというメタファーは、PowerPoint 登場以前の時代にあってすばらしいアイデアだったのではないかと思う。
iPad など今日の iOS デバイスにとって最適のソフト開発環境ではないかという気がするが、現代風にアレンジして蘇ってくれたらどんなにいいだろうと思うのは筆者だけか・・・
筆者がものにできたプログラミング言語は BASIC と HyperTalk だけだった。それ以降は Pascal にしても C にしても(後の Objective-C も)どうしても歯が立たなかった。
そんな HyperCard が Mac の世界からプッツリ姿を消したのは 2004 年のことだった。その経緯は今もナゾのままだ。
★ →[原文を見る:Original Text]
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《参考》
Apple’s original software construction kit: HyperCard turns twenty-five years old today | TUAW
25 years of HyperCard—the missing link to the Web | Ars Technica
Why Hypercard Had to Die | Loper OS
HyperCard: What Could Have Been | Wired
Converting a HyperCard stack to LiveCode | HyperActive Software
Boston のExpo 会場でHyperCard が発表されるのを生で見ました。HyperCardの発表は2日めにあったのですが、1日めから会場のいたるところにMacPlus が置いてあってKiosk端末になっており、アルファベットのインデックスから出展者を選ぶと出展者の情報が読め、ナビゲーションボタンを押すと出展者のブースが地図上に見えるようになっていました。
良くできたナビだなと思っていたら、2日目の講演で、HyperCard の発表があり、実は昨日からみんなが使っていたナビゲーションのソフトがHyperCard スタックだったという種明かしをする演出。 しびれました。
> すみお さん
貴重な経験を されましたね
HyperCardがでてから25年ですか?
沢山遊びました。なくなってしまった時はショックでしたね。
先日50歳になりました。ハイパーカードを知ってマックを買ったのが25年前。X6800シャープとどちらを選べか迷ったものです。(カラー&動画&音楽機能は、価格比では優れていました。)
私もプログラム言語で使えるは、ハイパートークだけです。(いろいろ挑戦しましたけど)
確かにiPadには最適だと思いますし、復活を期待しています。
Jimdoというネットリアルホームページ作成ツールが発表された時、結構ハイパーカード系統かなぁ。と思いミーテイングで開発者の方(ドイツ)にハイパーカード知っている?。と聞いたけど違っていてがっかりしたこともあります。
ハイパーカードとマックプラスは、処分出来ず未だに所有しています。
とりとめなく書き込みましたが、このブログ記事で、改めて歳をとったことと自分の中で最高のソフトのひつつがハイパーカードだったな。と思い返しました。
Microsoftに買収される前のPowerPointは、HyperCardよりも先に出ていませんでしたっけ?
> 新居田 誠 さん
古くからの Mac ユーザーに敬礼!
私も 同じ思いです
> i4196 さん
参考文献に掲げた Ars の記事が HyperCard の前史について詳しいですね
PowerPoint との関係は よく分からないので 詳しい方にご教示いただきたいものです
ちょうど,ワイヤードにPowerPointの記事が出てました。http://wired.jp/2012/08/13/microsoft-powerpoint/
> romancer さん ありがとうございます
なかなか 興味深いですね
この記事を書かれた SEIYA NISHIMURA さんは どういう方でしょうか
ビル•アトキンソンが日本に来た時、HyperCard今の所有者はスカリーと。余程のことがない限り難しいのでは、と語っていたようです。
> M.Kobayashi さん
とても 興味深いです
日本にも 事情に詳しい方が たくさんおられるのですね
アップルを去ったあとで John Sculley がのべたことばが 改めて興味深いと思います
As I look back on things that I wished we would have done differently when I was at Apple, I think one of the biggest missed opportunities, and it was on my watch, so I feel responsible and disappointed that we didn’t do more with it, was Hypercard.
初めてiPadを触ったとき、Hypercardがハードになって帰ってきたと思って喜んだのですが、いまだにiPadのHypercardは出ませんね。Mac SEでHypercardと格闘したのはよい思い出です。コンピューターのズブの素人が自分のやりたいことを機械にやらせられたのは最高の経験でした。
どなたかiPad用のを作ってください!!
HyperCardがインターネットに与えた(与え損ねた?)影響として、
http://wired.jp/wv/archives/2002/08/23/%E3%80%8C%E6%9C%80%E5%88%9D%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%AA%E3%82%8A/
や、
のエピソードが、また面白いと思います。
> Ito さん ありがとうございます
私も気付きましたが Bill Atkinson が インターネットのチャンスを逃した思いを吐露しているところが とくに興味深いでした
→「私はアップル社の、マシンを中心とする文化で育った。もし米サン・マイクロシステムズ社のようなネットワーク中心の文化で育っていたら、ハイパーカードが最初のウェブブラウザーになっていたかもしれない。アップル社にいたときの私の盲点が原因で、ハイパーカードを最初のウェブブラウザーにできなかった」
私が1989年3月にMacPlusを買ったのはHyperCardがあったからです。
それ以来、HyperCardのプログラミングにはまりました。作りながらその場で動作も確認できるという環境は今でも驚きです。HyperCardがなくなったときにCrossBasic、現在のRealStudioに乗り換えて現在に至ります。