[FaceTime video – Apple]
[Apple iPhone 4 FaceTime commercial – YouTube]
アップルの FaceTime コマーシャルは何度見てもすばらしい。さすが Sam Mendes 監督の腕は冴えている。
多くのひとが心動かされたようだ。読者の hiloshi 氏もすてきなコメントを寄せてくださった。
心を動かされたひとりに Gina Trapani がいる。
Smarterware: “Lessons from Apple on Advertising and Aesthetics” by Gina Trapani: 08 June 2010
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ビデオチャットなんて
まず背景について少し触れておくと、先日の Google I/O で私がもらった Sprint EVO には前面カメラがついているので、たぶんビデオ・チャットもできるのだと思う。これまで試したことはないけれど・・・・。ビデオチャットなんて「なんで?」というのが私の気持ち。私は電話で話すのがキライだ。ましてや話し中の私を相手に見せるなんてウンザリだ。ビデオチャットのために顔の前に電話を掲げて外を歩くなんて想像もできない。
First, some background. I got a Sprint EVO at Google I/O which has a front-facing video camera, and presumably the ability to do video calls. So far, I haven’t tried it. My general feeling about video calling is “Why?” I hate talking on the phone, so giving someone else the ability to see me while I talk on the phone seems like a yawner. I can’t imagine walking around holding my phone out in front of my face to do a video call.
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極めつけのシーン
そして・・・アップルの FaceTime ビデオを見たのだ。赤ちゃんや恋人たち、卒業式の衣装をつけた孫を見る祖父母、新しいブーツを見せる友だち、お互いに手話を交わす聴覚障害者、そして私がぐっと来た極めつけのシーンだ。イラクかアフガニスタンにいると思われる兵士が、ベッドに座って手に持った iPhone でビデオチャットを交わす。相手は母国の病院にいる妊娠中の妻(恋人)で[注:指輪から夫婦であることが分るとのコメントあり。Thanks:k_miya]、エコー診断を受けている。初めての我が子を見つめる兵士の目は大きく開いたまま・・・
Then I watched the FaceTime video from Apple, which features babies, people in love, grandparents seeing their grandkid in a cap and gown on graduation day, girlfriends showing off new boots, deaf people signing to one another, and the one killer scene that sold me. A soldier, presumably in Iraq or Afghanistan, sits on the edge of his bunk, holding out his iPhone, video-chatting with his pregnant wife/girlfriend at the hospital back home, who is getting an ultrasound. His eyes well up when he sees his kid for the first time.
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これぞアップル
たぶん自分が妊娠適齢期の女性のせいかもしれない。このシーンは(たとえそれが作り物だとしても)私にはぐっと来たのだ。これぞアップルのやり方だ。メモリーが何ギガバイト、CPU のスピードがいくら、アプリの数がどれだけ・・・そんなことをアップルはいわない。アップルはあなたのハートに訴える。人生の最も大切な瞬間にテクノロジーがいかにあなたの人生を豊かにしてくれるかということを訴えるのだ。
Maybe it’s because I’m a woman in my child-bearing years, but that scene–even as contrived as it was–laid me out. That’s the thing about Apple marketing. They don’t talk about how many gigabytes of memory or how many CPU cycles or how many apps (much). They aim for your heart, and show you how technology can make your life better during its most important moments.
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Droid の場合
これと対照的なのが Droid のテレビコマーシャルだ。放映されるたびに2歳になる私の娘が怖がる。暗い雨の中でぐるぐる回るアプリの球体をロボットの手が突き刺す。人の姿はどこにもない。
Contrast this with the Droid ads, which actually scare my friend’s two-year-old daughter away from the TV when they come on. The dark, rainy background, the spinning globe of glowing apps, the robot hands poking at them, nary a human in sight.
Droid が何をいおうとしているのかサッパリ分らない。
Droid does. Does what? Show, don’t tell.
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高いレベルへ
新しい iPhone が正式に発表され、すばらしいソフトと明確なコミュニケーションによってテクノロジーと人生が関わるレベルを高く引き上げてくれたことはとてもうれしい。
I’m really glad the new iPhone has been officially announced, and that Apple continues to set the bar for beautiful software and clear communication about the intersection of technology and life.
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アップルはあなたのハートに訴える・・・
★ →[原文を見る:Original Text]
Technorati Tags: Ads, Android, Apple, iPhone 4, Video Chat, WWDC
いつも楽しく拝見させていただいています。
この記事には大変大切なことを気づかせてもらいました。
iPhone4のCMは、主役が人であることーiPhoneは、人々の暮らしの一部を豊かにする存在にすぎず、大切なのはそこにいる人々自身の生活であることーを示しているのではないでしょうか。
技術の進歩は、人々の暮らしを豊かにするための手段であって、目的ではないーそうしたことをAppleはよく理解しているのだなと感じさせられました。
妊娠中のエコーの部分は夫婦ですね。
二人とも結婚指輪をしています。
> k_miya さん
鋭いですねえ 確かに指輪が・・・
本文に 注記させていただきました
今回のFaceTimeのビデオには僕も深く感動しました。
「FaceTime」というネーミングにもグッと来ました。
call,video,phone,line,などなどの言葉を使わず、
「Time」。
どんなに世の中の他の会社と視点・スタンスが違うのか
このチョイス一つでもよくわかる気がします。
蛇足ですが、シローさんがお好きそうな画像がありましたので
リンクを張ります。シャツが同じなのはJobsだけじゃなかったんだなと(笑)。
> bono さん
「Jony Ive は10年間もシャツを替えない」(Jony Ive hasn’t changed his shirt in a decade) というのには びっくりしました
Tシャツ以外の Ive も ときには見かけるようですね
また たとえばこちらのTシャツは 今回のビデオのものとは 色合いが違うように思いますが・・・
また、水をさすようなコメントで申し訳ありません。
iPadでは上のYouTubeは見られません。(iPhone/iPod touchも同じでしょうが)
最終的にはMacOS上で拝見させて頂きました。
これは勿論、新しい投稿動画だと思いますが。残念です。
Googleニュースにも最新のYouTube動画が5つほど貼りつけられていますが、iPadでは見られないものが多いようです。
最近はYouTubeもHTML5で作成されたものが多いと推察されますが、何故こんなことに?
なるほど〜。
それにしても、右上に赤ペンのあるこのサイトイメージ、
懐かしいです。
私はほんの少しばかりのApple Common Stockの保有者です。Appleの経営が悲惨だったときボランティアのつもりで応援しました。配当なんか無くたっていっこうに売る気はありません。FaceTimeのビデオCM見たときに、いままでずっとAppleユーザーであったことが本当にうれしく感じるとともに他のIT企業とは根本的に異なる哲学に触れられて感動しました。人を感動させ、人と人の結びつきを深め、人生を豊かにするのはスペックや最新技術だけでは実現できないことをAppleはわずか数分の映像で表現してますね。それにSatchmoのWhen You’re smilingのBGMにもしびれてしまいました。もう予約するしかないでしょう。(笑)
[…] あなたのハートに訴える [FaceTime video – Apple] [Apple iPhone 4 FaceTime commercial – YouTube] アップルの FaceTime […] […]
貴ブログの「あなたのハートに訴える」のYouTubeが私のiPadで見られない問題が少しだけ分かりかけてきました。
ただし、まだ分からない部分も多いです。
私のブログに、もう少し詳しく書いています。