・・・そしてわが家はすっかり変わってしまった。
EMC のおエラいさんの手記がたのしい。
Chuck’s Blog: “What iPads Did To My Family” by Chuck Hollis: 06 May 2010
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とうとう・・・
先週の日曜日、ついに私は負けてしまった。とうとう iPad[3G ではない]を買ってしまったのだ。アップルストアを訪れ、5分ほどいじってみて、クレジットカードを渡し、15分後には iPad を手にしていたというわけ・・・
Last Sunday, I broke down and bought a non-3G iPad. I just was too damn curious. Walked into the Apple Store, played with it for 5 minutes, gave them my credit card, and walked out 15 minutes later.
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手記を書いたのは EMC という会社の副社長。3人の子供がいる。
家には IT 機器がしこたま溢れている。ざっと数えても、デスクトップ PC 6台、Windows ラップトップ3台、iMac 1台、MacBook Air 2台、プリンター3台、MP3 プレーヤにいたっては多すぎて不明。家中にワイヤレスが張り巡らされ、ワイヤレスドメインが3つ、NAS サーバーもある。16歳の息子がすべてを司るテクニシャンというわけ。
そこに iPad が加わった・・・
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最初の反応
30秒もしないうちにワイフと子供たちの口をついたのは、「オー、ノー。パパがまたオモチャを買ってきた。」、「どうしてまた CPU の入ったモノが必要なの?」、「どれの代わりなの?」などなど。
My wife and kids summed it up in 30 seconds. “Oh no, Dad bought another toy”. “Why do we need something else with a CPU in it?“. “What does it replace?“. And so on.
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微笑みを浮かべて
4時間後、ワイフはフォトアプリで遊んでいた。みんなに写真を送っている。しばらくはやめる気配がない。タップ・タップ・タップ。バックボーチで、大人用の冷たい飲み物まで準備して熱中している。
Within four hours, my wife was playing with the photo app, and sending pictures to people — she’d be meaning to do so for a while. Tap, tap, tap. She was doing that from the back porch with a frosty adult beverage to complement the activity.
彼女の顔には微笑みすら浮かんでいる。
She was smiling.
iPad の楽しみは Facebook にまで続いた。私はしないが、彼女は大フアンだ。タップ・タップ・タップ。こんどはソファに横になってテニスの試合を見ている。微笑みを浮かべて・・・
That fun was followed by an extended Facebook session (she’s a big fan, I don’t use it). Tap, tap, tap. This was lying on the couch with a tennis match on. More smiles.
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私も欲しい
iPad をワイフがテーブルにおいて去ると、こんどは14歳の娘(わが家のアーチスト)が Autodesk イラストアプリで遊び始める。タップ・タップ・タップ。
She left it on the table, and my 14 year old daughter (the artist in the family) started playing with an Autodesk illustrator app I had downloaded. Tap, tap, tap.
「パパ、これってクール。」タップ・タップ・タップ。「これを見て!」彼女の描いた絵で私のメールはいっぱいだ。
“Dad, this is cool“. Tap, tap, tap. “Look at this!” My email is now filling up with her drawings.
大学生の娘が学校から帰ってきた。夜遅く iPad を持って部屋に引きこもる。タップ・タップ・タップ。「パパ、私も欲しい。」「学校ではどこでも Wi-Fi が使えるのよ・・・これってサイコー。」
My college daughter is home from school. Late that night, she grabbed it and ran up to her room. Tap, tap, tap. “Dad, I want one“. “You do know, there’s wi-fi everywhere on campus — this would be perfect“.
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以来、家に帰ってくるとこんな調子だ。
「誰だ? iPad の充電を忘れたのは?」
「ピザたべたのなら、ちゃんと拭いておきなさいよね。iPad がベトベトじゃない!」
「もう iPad を使ったでしょ。こんどは私の番よ!」
「プリントはどうしたらいいの?」「もっとゲームをダウンロードしていい?」「このクールなビデオを見てよ。」
タップ・タップ・タップ。
“Who forgot to charge the iPad?”.
“Hey, if you’re going to eat pizza and use the iPad, at least wipe it! How gross!”
“You already used the iPad this afternoon, it’s my turn!”.
“How do I print from this thing?” “Can we download some more games?”. “Check out this cool video”.
Tap, tap, tap.
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もう誰も使わない
PC やラップトップはもう誰も使わない。マックも使わない。みんな電源を落としてしまった。
All the PCs and laptops are basically not being used. All the Macs are not being used. All have been powered off.
家族のみんなが iPad の順番を待っている。
Everyone in the family is waiting for their turn at the iPad.
ヒエラルヒーのトップに君臨するのはワイフだ。その夜、2階の寝室でテレビを見ながらリラックスする。タップ・タップ・タップ。ネットでみつけたオモシロそうなものをときどき私に見せる。もちろん微笑みを浮かべて・・・
My wife asserted her rightful place in the hierarchy later that evening, and took it upstairs to the bedroom to relax while watching TV. Tap, tap, tap. Occasionally, she showed me something interesting she found online. And smiling.
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時代遅れに
今後デスクトップを買うことはもうないだろうと思う。ラップトップだって買わないだろう。
I don’t think I’ll be buying any more desktops going forward. I don’t think I’ll even be buying any more laptops going forward.
どちらも、少なくともわが家においては時代遅れになってしまった。499 ドルのカッコいいデバイスのせいだ。従来の意味では「コンピュータ」と呼べるシロモノではないのに・・・
They’ve all been largely obsoleted (at least at my home) by a sleek $499 device that doesn’t really have any right to be called a “computer” in the traditional sense.
もちろんホンモノのコンピュータでないと出来ないこともいくつかある。でも、そのリストたるや信じられないほど小さくなってしまった。たった一週間で・・・
Sure, there’s a handful of tasks that I still would prefer a real computer, but — amazingly — that list has now shrunk dramatically. In less than a week.
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火にたかる蛾のように
たちまちにしてうちの家族はこの新しいピカピカのシロモノの虜(とりこ)になってしまった。押し付けられたわけでもなく、勧められたわけでも、乗り替えたためでもないのに。まるで火にたかる蛾のように引き寄せられたのだ。
The members of my family immediately gravitated to the new shiny thing — no prompting, no encouragement, no migration, etc. They are drawn to it like a moth to flame.
いまやアップルに対して奇妙な愛憎関係にある。またアップルストアを訪れるのもそう遠いことではないような気がしている。
I now have this strange love/hate relationship with Apple. And I think it won’t be long before I’m forced to make another trip back to the Apple store.
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普通のみんな(the rest of us)が iPad に引き寄せられている・・・
★ →[原文を見る:Original Text]
Technorati Tags: Apple, iPad, The Rest Of Us
私もiPadを楽しみにしている一人で、微笑ましい光景が羨ましい限りです。
ところで記事とは直接関係ありませんが、現在、米国発売のiPadを使用するのには問題があるようです。
詰めが甘いというか。まあ、日本で米国版を買ってWi-Fiを使うのが間違いのようです。
いつも,楽しみにしております.
今回の記事もiPad の魅力をよく伝えた記事で購入できる日が,より楽しみになりました.
さて,1点だけ.”頬笑み”は,”微笑み”にしたほうがよいかと思います.何回も繰り返されるので気になりました.
ご苦労もあろうと思いますが,今後も無理をせずに継続してくだされば,うれしく思います.
> God Keep さん
ご指摘 ありがとうございました
そのように 修正しました
タップ、タップ、タップ。
この部分に楽しい雰囲気が良く出ていますね。
[…] わが家に iPad がやって来た [iBroke – Nate Beeler] ・・・そしてわが家はすっかり変わってしまった。 EMC […] […]
「ヒエラルヒー」は一般的には「ヒエラルキー」でしょうね。
> . さん コメント ありがとうございました
「ハイアラーキー」でなく 「ヒエラルヒー」という ドイツ語読みの時代に 覚えました
年寄りのせいです これでご勘弁・・・
いつも楽しい記事ありがとうございます。
私も4月3日に米国版iPadを購入して、この副社長さんのように生活が一変しました。(うわさになっているようなWiFiの問題は私の場合はほとんどありません。自宅でもHotSpotでも新幹線でも快適です)
EMCの副社長とちょっと違うのは、ハイアラキーのトップにいるのは我が家では私で、子供は気に入って使いますが、嫁さんはあいかわらずMBAirを携えています。(嫁さんはいつもLate Commerですから)
あの冒頭の絵もまさに私と同じ状況で、使わせてもらいたいと思いました。
漠然とイメージしていた来るべき新たなライフスタイルが、目の前に鮮やかに浮かび上がってきました。
楽しい記事をありがとうございました。