[The Verge のインタビューを受ける John Gruber]
アップルギークの John Gruber が注目を浴びている。
Mountain Lion 発表に際してアップルから一対一のブリーフィングを受けたからだ。
舌鋒鋭いアップルファンボーイと見られることの多い Gruber だが、今回のことで一躍脚光を浴びた感がある。
その詳細を載せた自らのブログ Daring Fireball もさることながら、ポッドキャスト The Talk Show が大変おもしろい。
→ The Talk Show #79: 8:31 AM | 5by5
今回は John Siracusa までやってきて、「ウン、ウン、そうか、そうか」と盛り上がるのがとても楽しい。
詳しくは直接聴いていただくとして、印象に残ったことをいくつか・・・
アップルの報道管制が解ける「米東部時間午前8時31分」というのがタイトルだ。解禁になるまで一切リークがなかったことからもアップルのライター選択は成功したということだろう。
アップルから特別待遇を受けた連中は誰かということから話が始まる。Gruber の口を通じて挙がった名前が興味深い。
マンハッタンのホテルで順次呼ばれて 70 〜 90 分程度のブリーフィングを受けたこと。Gruber の前に Ed Baig、終わって出てきたときに David Pogue がいたこと。Jim Dalrymple や MG Siegler、Michael Gartenberg の名前も挙がる。
影響力のあるライターに個別攻撃で情報を与え、その書きぶりで今後継続するかどうか決めるというアップルの作戦は成功しているように思える。
今回のような個別ブリーフィングが今回限りか、今後も続くのかという下りもおもしろい。
今や圧倒的優位に立つアップルがなぜ年1回の OS アップグレードに踏み切ったのか。ちらつくグーグルの影に触れているところも興味深い。
みんなが興味を持つ点について、気心の知れた Siracusa を相手に存分に話をしているのが印象的だ。
アップルの今後に興味のあるひとには必聴の内容だと思う。
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その後書かれた「安易に結論を急ぐな」という Gruber の記事もオモシロい。
Daring Fireball: “Jumping to Conclusions” by John Gruber: 18 February 2012
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報復措置か
ワシントン・ポストの Erik Wemple は、WSJ が Mountain Lion 発表の際に Tim Cook に対して行なった独占インタビューに触れて、アップルが NY タイムズに対し情報を制限する措置に出たという結論を出している。「iEconomy」シリーズなどの NY タイムズ報道が原因だというのだ。問題は WSJ がアップルお気に入りの新聞であるということだ。これまでも数多くの独占リークやインタビューを行なってきた。自分が思いかえす限りそうだった。例えばアップル史上最大のリークである Steve Jobs の肝臓移植手術は、3か月も早く 2009 年6月にリークされた。
Erik Wemple of The Washington Post notes this exclusive Mountain Lion-announcement-day interview the WSJ scored with Tim Cook and somehow concludes that Apple is giving The New York Times reduced access because of the Times’s “iEconomy” investigative reporting series. Problem is, The Wall Street Journal has been Apple’s favorite publication for exclusive leaks and interviews for years. For as long as I can recall, really. The Journal, for example, got the biggest exclusive in Apple history: the June 2009 leak that Steve Jobs had a liver transplant three months earlier.
NY タイムズが iEconomy シリーズを載せていなければ、確かに Cook とのインタビューを認められたかもしれないという可能性はある。しかし Wemple はその確たる証拠は何も示していない。これまでの実績からみてもそんな証拠は持っていないだろう。
It’s certainly possible that The Times might have been granted an interview with Cook as well if they had not run the iEconomy series, but Wemple doesn’t show any evidence of that, and recent history suggests they would not have.
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安易な結論
株屋の詐欺師 Henry Blodget は Wemple の記事を読んで、NY タイムズに対するアップルの「報復」のせいで David Pogue がブラックリストに載せられたと結論している。
Jackass stock swindler Henry Blodget reads Wemple’s report and concludes Apple’s “retaliation” against the Times includes blacklisting David Pogue:
NY タイムズのガジェットカリスマ David Pogue は、アップルの新 OS のスニークプレビューをやってもらえなかった。アップル広報がお気に入りのジャーナリストに与えている特別待遇のことだ。彼の場合 John Gruber や WSJ とは違って、アップルの幹部連中に会うことはできなかったように見える。アップル広報が Pogue を完全に冷遇したのは自己防衛だったのかもしれない。Pogue は熱心なファンを持ち、いつもならアップル製品について息もつかせぬレビューを書くことで知られている。いいかえれば、うまく目立たないようにアップルが報復したのだ。この手のやり方はアップル広報が得意だってことは知ってるよね?
The NYT’s gadget guru, David Pogue, did get a review copy of Apple’s new operating system for a week, which is another favor Apple PR gives to approved journalists. But he does not appear to have gotten access to Apple’s execs, the way John Gruber and the WSJ did. It would have been self-defeating for Apple PR to completely snub Pogue, who has his own following and who generally writes breathless reviews of Apple products. So Apple’s retaliation, in other words, appears to be cleverly subtle. Did we mention that Apple’s PR team is really good at this game?
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Gruber の反論
まったくの偶然からだが、この Henry Blodget の憶測はまったくのナンセンスだと言い切ることができる。先週水曜日、ニューヨークでの Schiller のブリーフィングを終えて出たとき、廊下で次のブリーフィングを待っていたのは誰あろう他ならぬ David Pogue だったからだ。
By sheer coincidence, I can report that this is nonsense. When I left my briefing with Schiller last Wednesday in New York, waiting in the hallway for the next briefing was: David Pogue.
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お気に入りに選ばれたものと、その選から外れたものとの攻防戦はこれから続きそうだ・・・
[…] 時の人 John Gruber « maclalala2 日本もこんな感じかな。 […]
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[…] Gruber(Mac関連の有名人)、Brent Simmons(MarsEdit、NetNewsWriteの開発者)、デザイナーDave […]
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