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Update:渦中の2人のインタビュー》

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[ジョン・レノンと一緒の Jimmy Iovine:photo

30億ドルという巨額なのに、これまでのシリコンバレーの常識とは違う買収話にみんなが戸惑っている。

NY タイムズの記事が興味深い。

NYTimes.com: “Jimmy Iovine, a Master of Beats, Lends Apple a Skilled Ear” by Ben Sisario: 28 May 2014

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ジョン・レノンのお茶汲み

アップルの新しい音楽の大立て者 Jimmy Iovine[ジミー・アイオヴィーン]の経歴、はこれまでのシリコンバレーの大物たちと違ってプログラミングやコンピュータエンジニアリングの背景ではない。ニューヨーク市のレコードスタジオの床拭きやジョン・レノンのお茶汲みから始まっている。

CUPERTINO, Calif. — Apple’s new music impresario, Jimmy Iovine, didn’t start out writing code or studying computer engineering, the usual path of a Silicon Valley mogul. Instead, his career began sweeping floors at New York City recording studios and fetching tea for John Lennon.

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大きな賭け

しかしアップルは Iovine 氏の40年にわたるレコード業界での隠れた働き、流行を見つける才能、アーチストたちの信頼が、ジョブズの死後3年近くたったアップルの音楽ビジネスを活性化してくれることに大きく賭けたのだ。

But Apple is betting that Mr. Iovine’s four decades in the trenches of the recording industry, his knack for trend-spotting and his credibility with artists will help the company rejuvenate its music business nearly three years after the death of its co-founder, Steven P. Jobs.

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[How Beats Helps Apple | YouTube

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名前の読み方に注をつけるところにも、Iovine がシリコンバレーのテクノロジーの世界から異質な存在だったことが見て取れる。

ジョン・レノンの付き人的な仕事から始まって、レコード業界やタレントを熟知した Iovine の様子が語られる。

Bruce Springsteen、U2、Eminem を手がけ、いち早くラップの未来を見抜き、レディー・ガガに賭けた。

大衆マーケットの好みを察知する鋭い才能も持ち合わせる彼にアップルが大きく期待している様子も触れられている。

アップルに注入される新しい血はどのような途をたどるのだろうか・・・

★ →[原文を見る:Original Text

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《Update》渦中の2人のインタビュー(5月31日)

Eddy Cue, Jimmy Iovine, Apple, Beats Music, Code Conference

[Eddy Cue and Jimmy Iovine at the Code Conference – Full Session Video

アップルの Beats 買収発表の数時間後に行なわれた Re/Code のインタビュー。

渦中の2人、Eddy Cue と Jimmy Iovine がたっぷり語る。

Eddy Cue の雄弁は予想外だが、それにも増して Jimmy Iovine が雄弁だ。

何がアップルをこの買収話に突き動かしたか — このフルセッションは見応えがある。

・すべては音楽

・音楽はサウンドだ

・キュレーションがとても大切

 アルバム作りそのものがキュレーション
 つぎに何を聴くか — それがプレイリストであり、キュレーションだ

ビデオを見ながらいつも追いかけているアップル系ニュースのことを考えていた。

John Gruber や Jim Dalrymple といった目利きが数多のニュースの中から掬い上げてくる記事の数々。これぞまさにキュレーションだ。

世界中のニュース一覧がグーグルニュースやヤフーニュースで見れることで事足りるのではない。

限られた時間の中で読むに値する記事を見つけてくることに意味がある。

それを可能にしてくれるのが優れたキュレーターでありキュレーションだ。

どうやら同じことを音楽でやっているのが Jimmy Iovine らしい。

長時間のインタビューだが、(WWDC 直前の時間を割いて)このフルセッションを見る価値は十分にある。

アップルが目指しているものを知るうえでも・・・

[via The Loop

★ →[ビデオを見る:Re/Code

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追記:Marco Arment の感想

Re/Code のインタビュービデオを見た Marco Arment が次のようにコメントしている。

Marco.org: “Full video of Eddy Cue and Jimmy Iovine at Re/code” by Marco Arment: 30 May 2014

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カリスマ

自分は Jimmy Iovine のことをこれまでよく知らなかった。しかしアップルにとって彼を獲得することがカネにかえられないことがよく分かった。

I wasn’t familiar with Jimmy Iovine before, but I’m convinced that getting him to Apple was worth any price.

これを見て 2011 年以来アップルの公式の顔やイベントに欠けていたものが確信できた。それはカリスマだ。

Seeing this has made me realize what Apple’s public face and events have been sorely lacking since 2011: charisma.

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同感するところが大きい・・・

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[アップル本部を訪れた Beats チーム:photo

フィナンシャル・タイムズがスクープした Beats の買収話はホンモノだった。

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アップルのプレスリリース

Apple Press Info: “Apple to Acquire Beats Music & Beats Electronics“: 28 May 2014

Tim Cook:「音楽は私たちの暮らしのたいへん重要な部分です。アップルにとっても特別な部分を占めています。」

“Music is such an important part of all of our lives and holds a special place within our hearts at Apple,” said Tim Cook, Apple’s CEO.

Jimmy Iovine:「Beats はアップルと共にあるといつも考えてきました。」

“I’ve always known in my heart that Beats belonged with Apple,” said Jimmy Iovine.

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[談笑するアップルと Beats:@tim_cook

Tim Cook:すべては音楽だ

Tim Cook @tim_cook

Jimmy、Dre、Cueと共に談笑。Beats チームをアップルに迎えてエキサイトしている。すべては音楽だ。

Sharing a laugh with Jimmy, Dre, and @cue. Excited to welcome the #Beats team to #Apple. It’s all about the music. pic.twitter.com/ZwyWgHFwhO

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音楽業界との交渉に当たらせる

NYTimes.com: “Apple Confirms Its $3 Billion Deal for Beats Electronics” by Brian X. Chen: 28 May 2014

今回の買収の中心は、Iovine 氏を雇って将来ビッグメディアとの交渉に当たらせるためだと Steven Milunovich[UBS アナリスト]はいう。それはかつてジョブズ氏が iTunes 音楽に果たした役割だ。

Steven Milunovich, a financial analyst for UBS, said he thought the bulk of the acquisition might have been spent on hiring Mr. Iovine to handle big media negotiations in the future, as Mr. Jobs did for iTunes music in the past.

「ジョブズには現実歪曲空間があったが、それはある種特殊な能力だった」と Milunovich 氏はいう。Iovine 氏は「音楽の世界では一番それに近い人ではないか」と。

“Jobs had a distortion field and that was kind of a unique capability,” Mr. Milunovich said. He added about Mr. Iovine: “Within the music world, this guy’s probably the closest thing you’re going to get to it.”

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Om Malik の次のまとめがいちばんポイントを衝いているように思われる。

om: “Beats by Apple” by Om Malik: 28 May 2014

Jimmy Iovine の獲得が目的

この30億ドルの取引が Beats Music のためだったことは自分にとって少しも驚きではない。他にもそう考えるひとがいるようだ。自分の見るところ、Tim Cook はスティーブ・ジョブズの能力の一部を外部のベストな人材を導入することで置き換えようとしているのだと思う。Angela Ahrendts はアップルのリテールに新境地を開く。Jimmy Iovine はアップルのコンテンツを扱うことになる。Jony Ive はデザインの最強チームを率いる。なかなかいいアプローチだ。

It is not a surprise to me that this $3 billion deal is all about Beats Music. Others seem to agree. The way I see it, Apple CEO Tim Cook is trying to replace some of Steve Jobs’ skills by bringing in the best in business. Angela Ahrendts has the chops to take Apple retail into a new territory. Jimmy Iovine will be running Apple’s content side of the house. Jony Ive is still a powerhouse in design. This is a good approach.

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高くついたワケではない

アップルは海外の隠し金から Beats の収入の倍のカネを支払ったからさほど高くついたワケではないというひともいる。それでアップルの手の出なかったマーケットを獲得できるのだと。それはともかく、大騒ぎにも関わらずアップルの音楽ビジネスはあまり利益を上げていない。アップルの問題はむしろ他にある。

Some say, Apple paid about 2x revenues for Beats from its overseas stash of cash, so it isn’t that expensive a deal. It also allows them to extend into non-Apple markets. That said, despite all the hoopla, Apple’s music business doesn’t make them as much money. And the problems for Apple are elsewhere.

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アップルのアキレス腱

アップルのアキレス腱は、偉大なハードウェアにとどまらず、データ、クラウド、そしてサービスがユーザー体験を決定付ける世界にうまく対応できないことにある。インターネットおよびインターネットサービスに関しては、今でもそしてこれからもアップルは後手に回り続けるだろう。カルチャー的には問題の重要性を十分理解していない。上級幹部チームに問題を理解できるデータに詳しい人間が誰もいない。このためどう問題解決していいか分からないのだ。

Apple’s Achilles heel is its inability to come to terms with a world where, data, cloud and services define the experience, not just great hardware. When it comes to the Internet and Internet-services, they are and will continue to be reactive. Culturally they don’t grok the importance of that problem, they don’t have anyone on the senior management team who is data-native to understand the problem, so they don’t know how to solve that problem.

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時間稼ぎ

だから今後とも問題は残るだろう。Beats 買収みたいな話はこれが最後ではないだろう。自分の友人がかつていったことがあるが、われわれのような人間にとっては時間でカネを買うが、金持ちにとってはカネで時間を買うのだ。アップルは時間を稼いでいるだけなのだ。

So, they will continue to have a problem. Deals like Beats won’t be the last such deal. As a friend of mine once told me, that for most of us — time buys us money, for those who are rich, money buys time. Apple’s just buying time!

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以下は筆者の妄想。

Beats の買収話は WWDC より秋の iPhone がらみだったのではないか。

酔っぱらいビデオはアップルにとっても不意打ちだった。

火がついてしまった以上 WWDC 前にはっきりさせておく必要があった。(プレスリリースに Iovine の肩書きがないこともその慌ただしさを思わせる。)

あるいは Angela Ahrendts みたいに別個に打ち上げるつもりだったかも・・・

ただしあくまでも筆者の妄想。

★ →[原文を見る:Original Text

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