Feeds:
投稿
コメント

Posts Tagged ‘Intellectual Property’


[iPad のトレードマークは中国では使えない:image

iPad のトレードマークをめぐる中国での商標権紛争について、知的所有権に詳しい Oliver Herzfeld[Beanstock]が興味深い指摘をしている。

アップルの紛争は米中の知的所有権に関する文化の違いに根ざすものではなく、契約すべき相手をアップルが誤ったために起きたのだ、と。

Forbes: “Apple’s Trademark Problem In China Is Self-Inflicted” by Oliver Herzfeld: 06 April 2012

     *     *     *

純粋に民事の争い

先に登録したものが誰であれ商標権を獲得するという中国の慣行 — 商標の不法取得(trademark squatting)について、米国と中国の間で緊張が高まっている。しかしいちばん目立つアップルの iPad 商標権紛争は、それとは別な話だ。基本的には、きちんと正当な商標権を取得することに失敗した間違いに端を発した民事上の争いなのだ。

There’s tension brewing between the U.S. and China over “trademark squatting,” the practice of grabbing trademarks under China’s rules that allow whoever registers them first to own them. But the most high profile trademark dispute in China, Apple’s fight over the iPad trademark, is something entirely different. Essentially, it is a commercial dispute triggered by Apple’s regrettable failure to properly purchase the rights to that trademark in China.

     *     *     *

商標権の不法取得には当たらない

目下アップルと Proview との間に生じている紛争はまったく民事的なものだ。Proview は商標の不法取得(trademark squatting)には当たらない。アップルがタブレットコンピュータ iPad を発表する何年も前の1988 年に「IPAD」という商標を使い始め、2001 年に中国で初めて商標登録しているからだ。アップルは仲介者を通じて台湾の会社 Proview Electronics Co. Ltd.[Proview Taiwan]から中国を含む複数の国での「IPAD」商標権の購入契約を結んだ。「IPAD」の真正な商標権所有者が中国本土の Proview Technology (Shenzhen) Co. Ltd. [Proview China]だと分かった時点で問題が始まった。

Apple’s current dispute with Proview appears to be strictly a commercial matter. Proview is not a trademark squatter since it started using the “IPAD” mark in 1988 and first registered the trademark in China in 2001, years before Apple introduced its iPad tablet computer. Apple, through an intermediary, entered into an agreement to purchase from a Taiwanese company, Proview Electronics Co. Ltd. (Proview Taiwan), the “IPAD” trademarks in a number of countries including China. The problems started when it came to light that a Chinese company, Proview Technology (Shenzhen) Co. Ltd. (Proview China), was the true owner of the “IPAD” trademarks in China.

     *     *     *

当然なすべきチェックを怠った

アップルは、購入契約に入る前に所有権者が真正なものであるかどうか調査し、証明するという購入者として当然行なうべき最も基本的なチェックを怠ったという話しだ。あまりカネをかけずとも、ざっとでも商標権についてよく調べておけば、契約の相手が間違っていたことが分かったハズだ。アップルの最近の申し立てによれば、アップルは真正な権利者である Proview China と契約したいと考えたが、Proview China が債権者への支払いを回避するため、台湾の子会社 Proview Taiwan を通じて契約することに固執したのだと主張している。この主張は信じ難い。アップルが相当な注意義務を怠ったことの正当化にも説明にもなっていないからだ。また論理的に考えてもおかしい。契約上アップルが支払う額はたったの 35,000 ポンドで、Proview China が抱える負債のほんの一部にも充たないからだ。最もあり得るシナリオは、アップルが Proview China に対しより大きな追加的支払いを行なって解決することだ。

Apple was simply not duly diligent in its most basic obligation as a purchaser, investigating and verifying the seller’s ownership before entering into a purchase agreement. A quick and inexpensive trademark search would have revealed that Apple was contracting with the wrong party. Most recently, Apple claimed that it really wanted to contract with the correct party, Proview China, but Proview China insisted on selling the trademarks through its Proview Taiwan affiliate to avoid having to pay its creditors. That argument seems incredible since it does not explain or justify Apple’s diligence lapse. And logically it makes no sense when you consider that, under the agreement, Apple only paid £35,000 – hardly enough to make a dent in Proview China’s debts. The most likely outcome now is that the parties will settle the dispute based on an additional (and much larger) payment from Apple to Proview China.

     *     *     *

問題はカネだけ

アップルにとって中国での iPad 商標権を取得するキャッシュの調達は問題ないだろうが、問題は Proview 側がどれだけ高い額を要求するかという点だろう。

While Apple shouldn’t have to look far to find the cash needed to purchase the iPad trademarks in China, the question remains: How high will Proview’s asking price be?

     *     *     *

訴訟の話は複雑で何が本当かよく分からない。国がまたがると尚更だ。

それにしても悪名高きアップル法務がそんな単純なミスを犯したのだろうか。

そういえば iPad という名称はずいぶん前からささやかれていた。生理用品を思わせる名前にはなりっこないなどと騒がれていたのを思い出す。

折しも中国からは Proview が破産に瀕してアップルのカネを当てにしていること、本件訴訟が終結するまでは iPad の中国販売はできないだろうというニュースも伝わってきている。

中国副首相の「知的財産権の保護拡充に努める」というアップルへの約束はどういう意味だったのだろう・・・

★ →[原文を見る:Original Text

✂ →[本記事の短縮 URL]http://wp.me/pfXBS-1Qo

Read Full Post »


[李克強副首相と会見する Tim Cook:photo

中国に向けて風が吹いている。

そんな気がするニュースが続いている。

突然北京に姿を現した Tim Cook をめぐって、なぜ中国に行ったのか様々な論議が交わされた。

アップル広報は、Cook が中国高官に会ったことまでは明らかにしたが、それが誰で何の目的だったかは黙したままだ

28日になって中南海で副首相と会見したことが明らかになった。

WSJ.com: “Apple CEO Tim Cook Meets With Chinese Vice Premier Li Keqiang” by Loretta Chao: 28 March 2012

     *     *     *

中南海での会見

国営 China Central Television テレビの水曜日のイブニングニュースで、李克強氏が Tim Cook 氏と中南海で会見したことが放映された。中南海は党・政府要人の居住区として厳重に警備されている場所だ。

In its evening news broadcast on Wednesday, state-run China Central Television showed Mr. Li meeting with Mr. Cook at Zhongnanhai, the closely guarded compound here that houses China’s top leaders.

     *     *     *

中南海は政治的に特別な意味を持つ場所だ。

中国にとって重要な賓客を招いて行なわれる会見の場であり、国の立場を内外に知らしめる意味を持つ。

国営通信社新華社の報道をそのままロイターが伝えている。

Reuters: “中国、アップルCEOに知的財産権の保護拡充を確約=新華社“: 29 March 2012

     *     *     *

中国、知的財産権の保護拡充をアップルCEOに確約=新華社

[北京 28日 ロイター] 中国の李克強副首相は、訪中している米アップルAAPL.0のクック最高経営責任者(CEO)に対し、知的財産権の保護拡充に努めることを確約した。新華社が28日報じた。

副首相は「経済発展の変革と技術革新の進展に向け、対外的に一段と開放することが条件となる」と述べた。

報道によると、副首相は多国籍企業が中国で労働者に一段と配慮するよう求め、クックCEOは法を順守し誠実に事業展開すると述べた。

     *     *     *

一民間企業のトップが中南海に招かれた。

Foxconn 問題は中国にとっても対応に苦慮する問題だ。

世界の低賃金・低スキルの「タコ部屋」と見られたくないことは中国とて共通だ。

アップルの労働環境改善報告書はその意味で中国にとって歓迎すべきものだったのではないか。

そのことが一民間企業を中南海に招き入れるという異例の対応の背景にあったのではないだろうか・・・

     *     *     *

この会談の直前 iPad はやっと中国強制認証マーク制度(CCC)の認証を受けた。中国への製品輸入ために必須のものだ。

Computerworld: “New iPad clears China regulatory hurdle” by Michael Kan: 26 March 2012

iPad の CCC 認証

China Quality Certification Center[中国質量認証中心(CQC)]のウェブサイトによれば、iPad はやっと中国強制認証マーク制度(CCC)の認証を受けた。iPad を中国国内で販売するためにはこの認証が必要だ。

The iPad device was granted the China Compulsory Certification by the China Quality Certification Center according to the regulator’s website. The certification is a mandatory stamp necessary for Apple to sell the device in the country.

     *     *     *

アップルに「知的財産権の保護拡充に努める」と確約したことが残された問題にどう影響するのか容易に想像できそうだ。

アップルが正攻法で対処したことが中国の認めるところとなったのではないか。

アップルにとって手つかずの中国市場がいずれ開かれることは誰にも分かっていた。

Steve Jobs にできなかったことを Tim Cook が成し遂げた。

中国という巨大マーケットに風穴が開く瞬間が近づいている・・・

★ →[原文を見る:Original Text

✂ →[短縮 URL]http://wp.me/pfXBS-1Od
   〈短縮 URL についてはこちらを参照〉

Read Full Post »


[アップル対アンドロイド戦争:image

アップルの特許訴訟についてドイツ銀行のアナリストが興味深いことをいっているらしい。

Fortune Tech: “Why Apple is in no hurry to settle its iPhone patent suits” by Philip Elmer-DeWitt: 09 January 2012

     *     *     *

ドイツ銀行の予想

ドイツ銀行の Chris Whitmore は、アップルとグーグルの間で争われている Android エコシステム特許戦争の予想される4つの結果について、月曜日のクライアント向け文書で解説している。

In a note to clients issued Monday, Deutsche Bank’s Chris Whitmore lists four possible outcomes of the patent wars being fought in courts around the world between Apple (AAPL) and the Google (GOOG) Android ecosystem:

     *     *     *

考えられる結果は4つ

1)ユニット当たりいくらのライセンス料がアップルに支払われることで決着する
2)Android の機能ないしは流通に不利な条件をつけることにより、Android の将来のマーケットシェアの 25% を握るというアップルにとってより好ましい結果
3)どちらも勝者になれず引き分ける
4)アップルが負けて反訴する

1) settlement with per unit license fee paid to Apple;
2) a more favorable outcome where Apple handicaps Android’s feature set and/or distribution and captures 25% of Android’s future market share;
3) neutral with no winner; and
4) Apple loses and must pay a counter claim

3)と4)はありそうにないと Whitmore は考えているようだ。専ら彼の議論は1)あるいは2)の結果アップルの株主にどんな利益があるか計算することに割かれているからだ。

Whitmore must not consider outcomes 3 and 4 very likely because he spends the rest of the note trying to calculate the value to Apple shareholders of outcomes 1 and 2.

     *     *     *

いずれもアップル株価にはプラス

結果1) — 販売された Android デバイス1台当たり約 10 ドルを支払うことで、アップルの知的所有権をライセンスするという決着。Whitmore の試算によればアップルの株価は 35 ドル増える。

Outcome 1 — a settlement where Apple licenses its intellectual property for about $10 per Android device sold –could add, according to Whitmore’s calculations, roughly $35 to Apple’s share price.

結果2) — Android の機能ないしは流通が減少する。シナリオとしてはあまりありそうもないが、もたらされる利益は巨大だ。もしアップルが Android の未来のマーケットシェア 25% を確保できることになれば、アップルの株価は1株当たりざっと 260 ドルも増える。

Outcome 2 — where Android’s feature set or ability to distribute is diminished — is considerably less likely, but the payoff could be enormous. If Apple were to capture 25% of the future anticipated Android market, for example, Whitmore estimates that Apple’s share price could grow by roughly $260 per share.

     *     *     *

座して待て

「だから、アップルが安くで決着をつけることはないだろう」と Whitmore は結論する。

“As a result,” he concludes, “we suspect Apple is unlikely to settle cheaply.”

アップル投資家はその間じっと待つべきだと Whitmore はいう。「労せずして非常にオイシい知的所有権が手に入る可能性があるのだから・・・」

Apple investors, meanwhile, should sit tight, according to Whitmore. They are “gaining exposure to a potentially very lucrative favorable IP outcome for little or no cost.”

     *     *     *

どういう根拠なのかいまひとつ分かりにくい。

どう転んでも損にはならないと踏んだアップルが簡単に訴訟を決着する気はないということか・・・

★ →[原文を見る:Original Text

Read Full Post »