Feeds:
投稿
コメント

Posts Tagged ‘Computing’

apple-ibm-hero-620x413

[Apple + IBM:image

アップルと IBM が手を組んだことは 2014 年最大のニュースだったと Horace Dediu がいっている。

Biggest news of 2014 | Asymco

     *     *     *

IBM とアップルのロマンスなんて誰も考えもしなかっただろう。なにせこの両社はこれまで対立することの方が多かったのだから・・・

コンピューティングの変化

過去はどうあれ、この両社が手を組んだことには極めて重大な意味がある。大規模なスケールで起きている変化を示すものだからだ。両社の反目は「コンピューティング」(computing)という同じビジネスを目指したことから生まれた。しかし 1980 年代初頭以降「コンピューティング」は何百、何千というビジネスモデルにモジュール化した。もはやベージュボックスを売るだけではなくなった。IBM はコンピュータ製造から撤退、サービスやコンサルティングに踏み切らざるを得なくなった。一方アップルは、ハードウェアの価値を高めるデバイス+ソフトウェア+サービスへと移行した。

Nostalgia aside, this new union is profoundly important. It indicates and evidences change on a vast scale. The companies’ antagonism was due to being once aimed at the same business: computing. Since the early 1980s, “computing” came to be modularized into hundreds, perhaps thousands of business models. It is no longer as simple as selling beige boxes. IBM was forced out of building computers and into services and consulting while Apple moved to make devices and the software and services which make its hardware valuable.

     *     *     *

モバイルが決め手

両社の利害が一致したことで今年の戦略的パートナーシップが結実したのだ。これはコンピューティングが「モバイル」と呼ばれるものへ移行したことによって生じた。アップルとしては、未だ残る法人ユーザー、いまや落ちこぼれとなってしまったグループへのモバイルプラットフォーム採用を加速化しようとする。それと同時に IBM は、法人の持つ巨大なデータ倉庫を法人ユーザーの手に委ねようとしているのだ。

The convergence of interests which was consummated into a deal this year stems from the migration of computing around what has come to be called “mobile”. Apple intends to accelerate the adoption of its mobile platforms among the remaining non-adopters: enterprises–a group which, by now, qualifies as laggards.[1] Simultaneously IBM intends to connect data warehouses at those same enterprises to their employed users.

     *     *     *

お互いにとって利益

両社が力を合わせることでお互いの目的がより達せられるようになった。アップルは援助と専門知識を提供することにより法人への円滑なアクセスという突破口を得る。IBM は自らの API を通じてモジュール化したデータベースへのアクセスを提供することにより信頼できるクライアント体験を獲得する。両社が手を結ぶことにより、モバイルの(したがって直観的な)ソリューションの採用が増加し、生産性が向上して、購入企業の利益にもなる。

Both can achieve their goals better if they join forces: Apple offers assistance and expertise while obtaining access and lubrication for orifice entry. IBM offers modularized access to databases through its own APIs and obtains credible client experiences. The combination increases adoption of mobile (i.e. intuitive) solutions and an increase in productivity, benefiting the buyer.

     *     *     *

ユーザーのためのデザイン

最近発表されたアプリを見れば、両社の関係がいかに大きな変革をもたらすものであるかよく分かる。我々はユーザー[!]のためにデザインされたアプリの登場を目撃しているのだ。必要事項のチェックリストなどを取り仕切る内部委員会のためのものではない。

The recent apps release showed just how transformative this relationship could be. We were witnesses to apps which appeared to be designed for users[!] They were not designed for committees that prepare checklists of requirements.

     *     *     *

法人ソフトのスペック万能主義

法人ソフトを苦しめてきた機能万能主義[featuritis、feature creep]に抗しようとする IBM の勇気は称賛さるべきだ。それはソフトやハードの購入決定権者に対しノーを突きつけることだ。それは基本的に購入権限を持つ者にノーといい、給与を支払われている従業員にイエスということなのだ。ユーザー体験の質の高さは一目瞭然だ。ユーザーの取るべきアクションの数も、次々と見なければならない画面の数も、容赦ないほど間引かれている。これが最善のデザイン慣行としてアプリを貫いているコンセプトであり考え方なのだ。しかもなお不毛な法人ソフトのスペック万能主義を排している・・・

We must applaud IBM for having the courage to resist the featuritis which plagues enterprise software design. This resistance requires saying No to those who specify and are thus authorized to purchase software and hardware. IBM has had to essentially say no to those who buy and yes to those who are paid to use. The quality of the experience is evident at first sight. The number of user actions, the number of screens to wade through have been ruthlessly culled. These are concepts and ideas which now permeate app design best practices. Yet they are practices which still elude the spec-driven enterprise software wastelands.

     *     *     *

最重要ニュース

予期せざることとはいえ今日のテクノロジーを考えれば十分説明可能だ。IBM とアップルのパートナーシップこそ 2014 年で最も重要なテクノロジー関係ニュースだと自分は考える。

Being unexpected and yet explanatory of the state of technology today, the partnership between IBM and Apple is, in my opinion, the most significant technology news of 2014.

     *     *     *

いつもながら Dediu の視点は今後もたらされる変革の大きさに向けられている。

法人の IT 部門には大きな変革の波が押し寄せる・・・

Screen-Shot-2014-12-26-at-11.28.03-AM-620x394

なお、本稿にはこれまで登場したコンピューティング・デバイスのチャート[上図参照]が添えられている。過去に登場した様々なデバイスの栄枯盛衰が1枚のチャートに納められていてこれまたなかなか興味深い・・・

     *     *     *

追記: 「高度な法人体験の DNA は IBM にある」(12月31日)

アップルが Tim Cook の代になって IBM と手を組んだのは決して偶然ではない。

Cook 自身 IBM に勤務した経歴を持っている。[Thanks:  @boxerconan] それも12年の長きにわたって・・・

アップルサイトにも明記されているが、最終的には北米・南米地区の IBM PC の製造・流通責任者だった。

サプライチェーンの達人のよういわれる Cook だが、そのルーツは IBM にあったのかもしれない。

その経歴から見ても IBM の持つ強みを十分理解できる立場にあった。

Cook が「高度な法人体験の DNA は IBM にある」というとき、そのことばは真実を語っているのだろう。

広告

Read Full Post »