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Archive for the ‘Lawsuit’ Category

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Mending Fence by Cynara Shelton

我が道を行くアップルが最近グーグルやアドビなどと関係修復を図っている(fence-mending mode)ように見える、と Philip Elmer-DeWitt[Fortune ブログの Apple 2.0]が書いている。

Fortune [Apple 2.0]: “Apple mends a few fences” by Philip Elmer-DeWitt: 19 September 2010

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Google Voice

今週最も注目されたのは、アップルが GV Mobile +GV Connect などの Google Voice アプリを認める決定をしたことだ。グーグルを App Store から閉め出したのは14か月前のことだった。このため FCC[米連邦通信委]の査察を招くこととなった。早晩政府はこの件を終結するだろう(すでにそうしているかもしれない)。

Google Voice: The move that got the most attention this weekend was Apple’s decision to start approving Google (GOOG) Voice apps such as GV Mobile + and GV Connect 14 months after it threw them out of the App Store — a purge that triggered an FCC probe. Presumably the government will now close its books on the complaint, if it hadn’t already.

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デジタルニューススタンド

もうひとつ関心を呼んだのは Bloomberg が報じたニュースだ。新聞雑誌出版社に iPad の特別版を製作するよう働きかけていたアップルが、ついに iBook ストアによく似たデジタル新聞販売店(digital newsstand)を立ち上げるというニュースだ。これらの出版社は必ずしもアップルと良好な関係ではなかった。だから収入分配や購読者リストをめぐって交渉が行き詰まったと聞いたとき、いったい誰が悪いのかよく分からなかったものだ。

Apple newsstand: The other story getting some buzz is the report on the Bloomberg wire Friday that Apple, having invited newspaper and magazine publishers to create special iPad editions, is finally getting around to building a digital newsstand, similar to its iBook store, to showcase them. Those publishers are not particularly good neighbors themselves, so when we hear that negotiations over how to share revenue and subscriber lists have reached an impasse, it’s hard to know who’s more at fault.

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iPhone で Flash を認める

2週間前、アップルがクロスプラットフォームの開発ツールについてポリシーを翻したことがビッグニュースだった。アドビ Flash で書かれたアプリを App Store から排除する決定から5か月経っていた。FTC[米連邦取引委]の査察を避けるために態度を変えたのではないかと当時勘ぐられたものだ。もっともまだ問題なしとはいえない。Flash コンテンツのサイトは iPhone/iPad/iPod touch ではまだうまく動かないからだ。

Flash-to-iPhone: The big news two weeks ago was Apple’s policy U-turn on cross-platform development tools, reversing a five-month old ban than prohibited apps written in Adobe (ADBE) Flash from entering the App Store. There was speculation at the time that one reason for the change was to render moot an FTC’s probe. Apple may not be out of the woods yet, since websites with Flash content still don’t work properly on the iPhone, iPad and iPod touch.

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アンテナゲート

関係修復というより決着といった方がいいかもしれない。iPhone 4 の外部アンテナに関する苦情を Steve Jobs が公式に認め、問題が生じたすべてのひとへケースを無料配布することを決めたことによって、アップルに対する風向きを変わった。バンパー無料配布計画は今月をもって終わる。

Antennagate: This was not so much a fence being mended as a gate being closed. But Steve Jobs’ decision to publicly address complaints about the iPhone 4’s external antenna and offer a free case to anyone who was experiencing a problem did seem to set a new tone for the company. The so-called free Bumper program ends this month.

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人材引き抜き

人材引き抜きを防ぐため共謀して賃金を抑えたという疑惑について、その決着を図るため複数社が司法省と「事前打ち合わせ」に入っているといわれる。そのひとつがアップルだ。独禁法の民事訴訟で名前が挙がっているほかの会社は、グーグル、アドビ、インテル、Intuit、ウォルト・ディズニーなどだ。

Staff poaching: Apple is one of several companies reported to be in “advanced talks” with the Department of Justice to settle allegations that they colluded to hold down wages by agreeing not to poach each other’s employees. The other parties named in the civil antitrust complaint were Google, Adobe, Intel (INTC), Intuit (INTU) and Walt Disney (DIS).

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なぜ今なのか

それにしてもなぜ今の時点なのか。われわれとしては憶測するほかない。ところで今期会計年度はこの土曜日で終わる。もろもろのムダを整理するのに悪い時期ではない。

Why now? We can only speculate. We note, however, that Apple’s fiscal year ends on Saturday. Not a bad time to clear out some dead wood.

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FCC や FTC の影がちらつくのが気になるが、たしかに関係修復といえないこともない・・・

★ →[原文を見る:Original Text

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Jobs Vs Gates

世紀の対決・・・

HTC との特許訴訟であらわとなったグーグルとアップルの対立については多くのひとが注目している。そのひとり John Gruber が興味深い視点を提供している。

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そのひとつは、アップルが積極的な特許訴訟に踏み切った真意だ。

Gruber はアップルが Android にクギを刺したのではないかと考える。

Gene Steinberg のポッドキャストで、おおむね次のような指摘をしている。

The Tech Night Owl LIVE: “NOW PLAYING! March 25, 2010 — John Martellaro and John Gruber“: 25 March 2010

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Android は無料 OS ではない

・特許訴訟とはいっても、ライセンス交渉を有利に運ぼうとか、賠償金を狙う、ないしは特許荒らし(patent troll)を防御するということとは関係ない。

・グーグルの Android は iPhone に対抗する OS を無料でバラまいているところがマイクロソフトの Windows とも異なる。

・みんなが無料の Android 利用に乗り出すのをアップルはとどめようとしている。

・そのためには Android が無料ではない、すなわちアップルとの訴訟費用(legal defence to Apple)を覚悟しなければならないと示すだけでよい。それが抑止力として働くというわけだ。

・ひいては Chrome OS に対する抑止力ともなり、iPad への防御線が張れる。

iPhone に対抗しうるマルチタッチ OS を模索している多くの端末機メーカーに対して、Android は決して無料ではないと示せれば大きな抑止力として働くことは間違いない。Chrome OS というタブレット OS についても抑止力として働くことを考えれば、積極的攻撃に出る意味は十分ある。この意味で Gruber の問題提起は大変興味深い。

なお、グーグルが Android を開発したのはアップルに対する意図的攻撃ではなかったのかもしれないという点についても触れている。

他にも興味深い点が多々あり、正確にはポッドキャストを直接確かめていただくといいと思う。

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Gruber のもうひとつの指摘は、両社の対立が「将軍同士の闘い」であり、一般社員は「違和感」すら覚えているという点だ。

Daring Fireball: “Generals’ War” by John Gruber: 26 March 2010

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あからさまな敵意

ここで問題になっているのは、単なる競争ではなく「あからさまな敵意」だという点だ。グーグルとアップルがライバルであることはもはや疑いもない地点まで来ている。それは Android 対 iPhone というライバル関係であり、そして間もなく Chrome OS 対 iPad のライバル関係にもなるのだ。お互いが競争関係にあることはいいことであり、資本主義では通常見られることだ。しかし進行しているのはそれ以上のもっと敵意に充ちたもの、あからさまな敵意なのだ。ライバルとエネミーの違いだ。

The first is that what I’m talking about is outright hostility, not just mere competition. We’re well past the point where there’s any question whether Google and Apple are rivals, specifically in regard to Android-vs.-iPhone, and soon Chrome OS-vs.-iPad. Of course they’re competitors. That’s good, and a normal aspect of capitalism. I’m saying there’s something else going on, something more vicious. Outright hostility. The difference between rival and enemy.

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違和感

しかしもうひとつ言っておきたいは、この対立が経営トップおよび上級マネジメントのレベルで起きているということだ。両社のエンジニアはこのことを予期してもいなければ実感もしていない。私は両社にパイプを持っているが(もちろんアップルの方が多いが、グーグルについても他社に劣らず多い)、そのほとんどはエンジニアであり「経営トップ」ではない。本件に関し彼らの口から漏れてくるのは「違和感がある」[weird:奇妙だ、腑に落ちない]ということばだ。それなのに上級幹部からはグーグルがアップルに来て(あるいはその逆に)、敵意と怒りのことばに満ちた戦争が進行していると語るのだ。

The other thing I neglected to mention, and I think it’s important, is that this is all taking place at the executive and upper-management levels. The engineers — at both companies — are neither prepared nor relishing this. I have sources at both companies (more at Apple than Google, unsurprisingly, but more at Google than just about any company other than Apple), almost all of whom are engineers and none are “executives”, and the word that keeps popping up regarding this situation is “weird“. That there’s a meeting at Apple where Google comes up, or vice versa, and the managers are talking about waging war — vicious, angry talk.

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お互いに好意を抱いている

公然たる敵意というのはどちらの会社のエンジニアにとってもピンとこない。違和感があるのだ。この二つの会社には明確な企業カルチャーの相違がある。アップルのエンジニアはグーグルの作るソフトウェアが(効率的で利口ではあるが)不細工だと考える傾向があり、かつ「お前のデータは全部よこせ」というグーグルの戦略には疑いの目を向けている。一方グーグルのエンジニアは、アップルが Web のことを理解せず、古風で風変わりだと考えており、App Store の独裁的支配にはとことん腹を立てている。しかし全体としてみれば、両社のエンジニアはお互いに好意を抱いている。グーグルのサービスを使っているアップルのエンジニアはたくさんおり、アップルのコンピュータを使っているグーグルのエンジニアもたくさんいるのだ。

Outright hostility just doesn’t feel right to the engineers at either company. It is weird. There are decided and very obvious cultural differences between the two companies. Apple engineers tend to think Google makes ugly (but effective, smart) software, and they’re suspicious of Google’s “we want all of your data” strategy. Google engineers see that Apple doesn’t get the web — or at least the web as a software platform — and consider that quaint, and they’re flat-out offended by Apple’s autocratic control of the App Store. But, on the whole, the engineers at each company like each other. There are a lot of Apple engineers who use Google services and a lot of Google engineers who use Apple computers.

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将軍同士の戦争

これは将軍同士の戦争なのだ。アップルとグーグルの一般社員は戦争を求めておらず、予期さえしていない。

This is a generals’ war. The rank-and-file at Apple and Google aren’t looking for battle, or even expecting it.

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そして、その後に「ウワサの二人がお茶してる!」写真が登場した。

これですぐ思い出したのが「Steve Jobs Bill Gates の世紀の対決」だ。[冒頭画像参照]

二人のライバルが公開の場で初めて世紀の顔合わせをすることとなったとき、メディアはこぞって激しい火花が散る対決を期待した。

しかし期待に反して二人は終始和やかだった。

今回表面化した Steve Jobs と Eric Schmidt の対立はどうだろうか。

個人的な愛憎劇のレベルまで高まった両者の敵意について多くのメディアが報道している。

しかし真実がどこにあるにせよ、対外的には両者とも大人の振る舞いをするということではないのか。

ここからはまったくの想像だが、次のようなシナリオはどうか・・・

Jobs が Schmidt へ電話を入れる。

「オレたちのことがだいぶ騒ぎになっているようだが、ここらでみんなに見せつけてやろうじゃないか。どこか適当な場所はないか。」

「私のシェフがやっているカフェがあるんだが・・・」

二人はみんなの目に触れる場所に出かけ、わざわざ写真も撮れるカフェの外に座る。

よく見ると、どちらが主導権を握っているか二人の様子からアリアリ・・・

想像を逞しくしたが、計算され尽くした演出と考えられないこともない。

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さらに想像を逞しくする・・・

なぜそんな演出が必要なのか?

過去の成功に安住せず常に次の高みを目指すアップルにとって、自社のエンジニアを鼓舞することは大きな問題だ。

そのために重要なのが「Archrival」[最大のライバル、いちばんの競争相手]の存在だ。

マイクロソフトが Archrival の座を降りたあと、グーグルやアドビがその役割を果たしているとは考えられないか。「グーグルのモットーなんて嘘っパチ」とか「アドビは怠け者」という発言は、Archrival の存在をエンジニアに意識させ、彼らを動機付けしようという試みと関係あるのでは?

対立の真実は巷間言われているものとは違うところにあるのかもしれない。

それにしても、稀代のコミュニケーターとしての Jobs の資質には恐るべきものがある・・・

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Steve Jobs: Good artists copy great artists steal – YouTube

アップルが Android Nexus One のメーカー HTC に対し特許戦争を仕掛けたことの余波が続いている。

アップルはグーグル(Android)に恐怖を感じている」という Dan Frommer の意見に対して、John Gruber はつぎのようにコメントした。

Daring Fireball: “Not a Good Move, Perception-Wise” by John Gruber: 03 March 2010

そう見えることが問題

それが事実かどうかはどうでもいい。問題はそう見えるということだ。

Whether it’s true or not doesn’t matter. This is how it looks.

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その後 John Gruber が特許について書いた長文の投稿がこれまたおもしろい。

3000 語をこえる長文のエッセイの3分の2ほど過ぎたところで John Siracusa のつぎのつぶやきを取り上げる。

Daring Fireball: “This Apple-HTC Patent Thing” by John Gruber: 03 March 2010

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John Siracusa のつぶやき

「私の考えでは、アップルの特許訴訟は、Jobs 自身のフェアでない(injustice)という気持ちを表わしたものだと思う。」

“To me, the Apple patent suit smells like nothing more than a manifestation of Jobs’s own sense of injustice.”

Gruber はこのつぶやきを次のように理解する。

すなわち、Jobs は HTC の製品に対して心配などしているのではなく憤(いきどお)っているというのだ。その憤りを私は理解できる・・・少なくとも想像はできると思う。

I.e., Jobs is offended by HTC’s products, not worried about them. I can understand the indignation, or at least imagine that I can.

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Gruber はその視点からもう一度 Jobs の「競合他社はあくまで独自技術を造り出すべきで、我々から技術を盗むべきではない」ということばを見直す。

憤っている者のことば

アップルのプレスリリースは、少なくとも会社が出すものとしてはとても簡単明瞭だ。しかも Jobs のことばとされる部分は、慎重にことばが選ばれ、意味深長なので、注意深く分析する価値がある。他の会社のプレスリリースで CEO の発言とされる決まり文句とは大きく異なる。

Apple’s press releases tend to be remarkably terse and plainspoken, at least by the standards of modern corporate communication. And when Jobs is quoted in them, the words are carefully chosen and meaningful, worthy of being carefully parsed ム not at all like the bromides attributed to CEOs from most companies in most PRs. The PR announcing these suits against HTC is no exception:

これはライセンス紛争や交渉開始に用いられる丁重なものではない。憤っている者のことばなのだ。

That’s not the language of a licensing dispute or the beginning of a polite negotiation. That’s the language of a man aggrieved.

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フェアでない

iPhone がもたらしたのは新しいモデルだった。最先端かつ大きな飛躍だ。[それまでのスマートフォンのような]デバイスの半分を占める小さなスクリーンで、物理的ボタンやトラックボールを用いて間接的に操作するものではなく、デバイスの全面を占めるタッチスクリーンで、直接操作できるものだった。

The iPhone introduced a new model. A true great leap forward in the state of the art. Not a small screen that shows you things which you manipulate indirectly using buttons and trackballs occupying half the device’s surface area, but instead a touchscreen that occupies almost the entirety of the surface area, showing things you manipulate directly.

現在の Android は非常に優れたプラットフォームだが、アップルが iPhone を作らなかったとしたら決して存在しなかっただろう。このことが、ある意味で、フェアではないのだ。

Android is a far better platform today than it would have been if Apple had never created the iPhone. That, in some sense, is not fair.

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アンフェアネスに対する Jobs の感覚

Jobs がこの種のアンフェアネスに対して鋭い感覚を持っているという Siracusa の指摘は正しい。だからこの訴訟は、個別の特許に関するものというより、もっと大きなアイデア・・・新しいモバイルデバイスのデザインおよび動作はかくあるべしという iPhone の本質と壮大な野心に関係しているのかもしれない。

I think Siracusa is exactly right that Jobs has a particularly acute sensitivity to this sort of unfairness. This litigation, perhaps then, isn’t about particular specific patented components, but rather is about the big idea, the general gist and grand ambition of the iPhone as the basic model for how modern mobile devices should be designed and work.

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恩恵を被るのは・・・

この世はフェアとは限らない。偉大なアイデアは世界を良くする。アップルが iPhone に具現化されたアイデアの恩恵を被ることは当然だ。しかし他のものがこのアイデアの恩恵すべてを刈り取るということであってはならないのだ。

[…] But life isn’t fair. Great ideas make the world better. Apple can rightly expect to benefit greatly from the ideas embodied by the iPhone, but they can’t expect to reap all of the benefits from those ideas.

これがまさに正気とは思えないほど偉大なアイデア(insanely great ideas)の本質なのだ。競争のバーは高くなった。そしてそのほとんどはアップルによるものだ。物事とはそういうものだ。

That’s the nature of implementing insanely great ideas. The bar has been raised, and, yes, Apple did most of the lifting. That’s how it goes.

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防御でなく攻撃
しかし長い目で見れば、マーケットを制するのは良きビジネスであって、法廷闘争ではないと私は信じる。HTC に対する今回の訴訟で心配するのは、防御ではなく積極的な攻撃に回っているように見える点だ。

But I believe that it’s good business, in the long run, for a company’s acts of aggression to take place in the market, not in the courts. My concern regarding this litigation against HTC is that it looks like an act of competitive aggression, not defense.

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果たして訴訟は得策か

私が懸念するのは、アップル(あるいは Steve Jobs だけかもしれない )が、Nexus One のような電話は存在する権利がないと考えて反論を許さず、彼らをマーケットから排除する特許訴訟がアップルの利益にかなっていると考えているのではないかという点だ。それが邪悪(evil)であり、バカげていて、不合理だと思うからではなく、愚かで、近視眼的で、不必要なものだと思うからだ。

What worries me is the idea that Apple, or even just Steve Jobs, believes that phones like the Nexus One have no right to exist, period, and that patent litigation to keep them off the market is in the company’s interests. I say it’s worrisome not because I think it’s evil, or foolish, or unreasonable, but because it is unwise, shortsighted, and unnecessary.

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たしかに、アップルの努力の結果に Android がタダ乗りするのはフェアでないという Jobs の「憤り」は理解できるような気がする。

しかし特許訴訟という先制攻撃を仕掛けたことはやはりやり過ぎかもしれない。

この点でギズモードが探し出してきた冒頭のビデオが興味深い。

Gizmodo: “Steve Jobs, 1996: ‘Good Artists Copy, Great Artists Steal’” by Brian Barrett: 02 March 2010

ビデオの中で Jobs は「優れたアーチストはコピーする。偉大なアーチストは盗む。偉大なアイデアを盗むことにおいて我々は常に恥知らずだった。」(Good artists copy, great artists steal. We have always been shameless about stealing great ideas.)と語っているのだ。それこそが「insanely great ideas」の証しということなのだろう。

その Jobs もいよいよ守勢に回ったということだろうか。なかなか複雑な気持ちになる・・・

原文を見る:Original Text

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Steve Jobs Eric Schmidt

真の狙いはどこに?

アップルが Android Nexus One のメーカー HTC に対し特許権侵害の訴訟を起こしたことから蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。

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アップルの言い分

アップルは米国時間3月2日に次のようなプレスリリースを出した。

Apple [Press Release]: “Apple Sues HTC for Patent Infringement“: 02 March 2010

Steve Jobs 曰く「競合他社が我々の特許発明を盗むのを座視するか、何らかの手段を講じるか。我々としては対抗手段を講じる決心をした。競争そのものは健全なことだと思うが、競合他社はあくまで独自技術を造り出すべきで、我々から技術を盗むべきではない。」

“We can sit by and watch competitors steal our patented inventions, or we can do something about it. We’ve decided to do something about it,” said Steve Jobs, Apple’s CEO. “We think competition is healthy, but competitors should create their own original technology, not steal ours.”

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真の狙いは?

NY タイムズはアップルが訴えた真の狙いについて次のように述べている。

NYTimes.com: “Apple Sues HTC, the Maker of Google’s Nexus One Phone” by Brad Stone: 02 March 2010

今回の訴訟は HTC だけを名指ししているが、特許訴訟の弁護士やアナリストの多くは、アップルの狙いはグーグルおよびグーグルが携帯端末メーカーに無料配布している Android OS であると信じている。

Though the lawsuit singles out HTC, many patent lawyers and analysts say they believe Apple’s target is Google and the Android operating system, which the company gives away to cellphone manufacturers.

「今回の訴訟は戦争が始まったことを示す最初の銃声だ」と特許訴訟の弁護士で元 IBM 知的財産戦略担当副社長の Kevin Rivette はいう。「アップルは次々に狙っているのだ。まずアジアの会社、それからモトローラ、そしてグーグルの基盤を突き崩す。彼らとしては Android のツナミを防ぎたいのだ。」

The lawsuit “is the opening shot in a war,” said Kevin Rivette, a patent lawyer and former vice president for intellectual property strategy at I.B.M. “Apple is island-hopping, attacking first the Asian companies. Then it can go after Motorola, gradually whittling away at Google’s base. They want to break the Android tsunami.”

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20の特許権侵害

アップルが ITC[国際貿易委員会]および連邦地裁に提訴した20の特許権侵害とはどんなものか。元弁護士の Nilay Patel が Engadget にその概要をまとめていて参考になる。

Engadget: “Apple vs HTC: a patent breakdown” by Nilay Patel: 02 March 2010

要すればこういうことだ。現時点ではこの訴訟がどうなるか予想するのは困難だ。明日にもアップルと HTC の両者が和解するかもしれないし、また10年以上続く大訴訟になるかもしれない。はっきりしていることは、アップルが特に HTC の Android デバイスを狙い撃ちしていることだ。その攻撃も周到に練られている。まず ITC[国際貿易委員会]に対しては強固な特許とみなされる OS レベルに関する古くからの特許を提訴している。さらには連邦裁に対しては、ユーザーインターフェイスに関する比較的新しい特許など別の特許を提訴している。どちらの法廷も HTC に対し販売差し止めや罰金を課することができるが、そうなるには長期間を要するだろう。真の問題は HTC がどう応訴するか、グーグルがこの訴訟に巻き込まれるかどうかという点だ。

[…] So here are the takeaways: as of right now, it’s impossible to predict what’s going to happen in this case — Apple and HTC could settle tomorrow, or it could turn into a ten year courtroom monster. But what we do know is that Apple’s specifically gone after HTC’s Android devices, and it’s organized its attack very carefully: it’s gone before the ITC with a collection of older patents on very deep OS-level functionality, which traditionally would be considered stronger patents, and it’s gone before the federal court with a different set of patents that include some very new claims on user interface features. Both courts have the ability to stop HTC from selling devices and issuing fines, but none of that is going to happen anytime soon. The real question now is how HTC is going to respond — and whether or not Google is going to get involved.

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いやな雲行き

Dan Frommer[Silicon Alley Insider]はいやな雲行きになってきたという。

Silicon Alley Insider: “Apple’s Wimpy Patent Suit Is Proof That It’s Terrified Of Google” by Dan Frommer: 03 March 2010

みんながどう見るかという観点からいうと、アップルがグーグルに恐怖を感じているという最近の事例になるのではないか。Android OS がスマートフォン業界にとって恐るべきライバルとなっているということだ。競合する2社の争いが広範かつ激しいものであることを示している。

But in terms of perception, it’s really the latest sign from Apple that it is terrified of Google, whose Android operating system is becoming a formidable rival in the smartphone industry. This amid broader, intensifying competition between the two companies.

この闘いは法廷ではなく市場で決せられる方がアップルとしては誇れるはずだという点が、アップルにとって最大の憂慮すべき点だろう。

The biggest sign of Apple’s worry is that this is a war that Apple should be proud to win in the market, not in a courtroom.

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If you can’t beat ‘em, sue ‘em.

この訴訟について John Gruber[Daring Fireball]はつぎのような感想を述べている。

Daring Fireball: “I Stand By This Quip From October” by John Gruber: 02 March 2010

小生としては、ノキアがアップルに訴訟を起こしたとき(10月)にいったことを繰り返したい。

Your humble narrator, back in October when Nokia filed a patent suit against Apple:

「やっつけることが出来ないのなら、訴訟を起こせ。」
[If you can’t beat ‘em, join ‘em. をもじって]

If you can’t beat ‘em, sue ‘em.

HTC に対するこの訴訟はとんでもない間違いだと思う。

I feel this suit against HTC is a terrible mistake.

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どうやらアップルは Android OS を心底恐れているように思われる・・・

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Ibmsliced

Apple Poaches Top IBM Chip Designer

Papermaster のアップルへの引き抜きについては裁判所の中止命令が出されたが、その後の展開をみていると IBM が恐れていることが次第に見えてくるように思える。

InformationWeek: “IBM Fears Papermaster Could Design Rival Apple Chips” by Paul McDougall: 11 November 2008

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ライバル企業にチップ設計のノウハウを渡してたまるか

訴状の中で Rodney Adkins[IBM のシステム技術担当上級副社長]は、iPhone や iPod のようなアップル製品で使用される可能性のあるマイクロチップを IBM が製造していること、過去にはマックに搭載される Power PC プロセッサをアップルに供給していたことなどを指摘している。「Papermaster 氏が所有する企業秘密および極秘ノウハウは非常に広範囲にわたっており、コンシューマエレクトロニクスの高度かつ広範囲の分野でのアプリケーションに使われる可能性がある」と Adkins はいう。

Adkins, in a court filing, notes that IBM manufactures microchips that could be used in Apple devices such as the iPhone and the iPod, and that IBM used to supply Apple with Power PC processors for use in Macs. “The trade secrets and confidential know-how that Mr. Papermaster has in his possession can be used for extensive and far-reaching applications in the field of consumer electronics,” Adkins states.

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最低1年間は仕事をさせない

IBM は先月 Papermaster を提訴した。彼は IBM におけるチップ専門家のひとりだった。IBM はニューヨーク連邦地裁に対し最低1年間は Papermaster をアップルの新しいポスト(デバイスハードウェアエンジニアリング担当副社長)に就かせないよう訴え出た。新しいポストは、退社後「1年間は IBM の競合企業に就職しないという契約」に反すると IBM は訴状で述べている。

IBM sued Papermaster, who was one of the company’s top chip experts, last month. IBM is asking U.S. District Court in New York to block for at least one year the engineer’s move to Apple, where he’s been named senior VP for devices hardware engineering. Papermaster’s position in Cupertino violates “his contractual obligation to refrain from working for an IBM competitor for one year” after leaving the firm, IBM states in its complaint against Papermaster.

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やはり Papermaster の持つチップ開発のノウハウが問題の核心らしい。

どうやら IBM としては、アップルが自前のチップを開発することを本気で恐れているということだろうか・・・

それにしても、最低1年間はアップルの仕事に就かせないということは、裏返せばそんなノウハウも1年も経てば役立たずになるということで、いかにも技術の最先端を行くシリコンバレーらしい話だ。

原文を見る:Original Text

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Applevsibm]

Money Times

元幹部をアップルに引き抜きぬかれて提訴していた IBM は、Papermaster の雇用差し止め命令を裁判所から確保した。

Bloomberg.com: “IBM Wins Order Forcing IPod Executive to Cease Work at Apple” by Carlyn Kolker: 08 November 2008

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IBM は、アップルに対する裁判所の停止命令を獲得することに成功した。元雇用者である IBM との契約違反の恐れがあるので、新しい iPod/iPhone 担当幹部が即刻業務を中止するよう命ずるものだ。 

Nov. 8 (Bloomberg) — International Business Machines Corp. won a court order forcing Apple Inc.’s new executive in charge of the iPod and iPhone devices to stop work immediately because he may have violated an agreement with IBM, his former employer.

「別途裁判所命令があるまで Papermaster は直ちにアップルとの雇用契約を停止しなければならない」と、米国地方裁所判事 Kenneth Karas(ニューヨーク州ホワイトプレインズ)は昨日市場が閉鎖された後に出された裁判所命令で述べた。

Papermaster “will immediately cease his employment with Apple Inc. until further order of this court,” U.S. District Judge Kenneth Karas in White Plains, New York, said yesterday in an order issued after markets closed.

「我々の要求を裁判所が認めたことに満足している」と IBM のスポークスマン Fred McNeese は語った。

“We are gratified that the court agrees with our request,” Fred McNeese, an IBM spokesman, said.

「我々は裁判所の命令に従うつもりだ。しかし最終的には Mark Papermaster がアップルに入社できるものと確信している」とアップルのスポークスマン Steve Dowling は述べた。

“We will comply with the court’s order, but are confident that Mark Papermaster will be able to ultimately join Apple when this dust settles,” said Steve Dowling, an Apple spokesman.

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Papermaster の引き抜きはすんなりとはいかないようだ・・・

原文を見る:Original Text

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Apple Ibm

Apple and IBM Set to Clash Over Executive Poaching

アップルの未来を占う重要なトップ人事が発表された日本語]。IBM の上級幹部を引き抜いてアップルの上級幹部に加えるというものだ。

iPod 部門を率いる上級副社長の Tony Fadell が退き、IBM のマイクロプロセッサ技術開発担当上級副社長の Mark Papermaster がその後任となる。

Tony Fadell といえば iPod を成功に導いた立役者だが、彼を切ってまでアップルに迎えたかったのが Mark Papermaster だったということか・・・

IBM は、退職後も競合企業には就職しないという契約違反だとして Papermaster をニューヨーク州連邦地裁に提訴済みだ。

New York Times: “Apple Hires I.B.M. Veteran as Device Engineer” by John Markoff: 04 November 2008

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IBM の訴訟

Papermaster 氏の役割をデバイスハードウェアエンジニアリング部門の上級副社長という限定的な仕事にすることで、アップルとしては IBM の訴訟を簡単に退けられるものと考えているのかもしれない。・・・

Because Mr. Papermaster will have a more limited role as senior vice president for devices hardware engineering, Apple may believe that it will be able to reject the I.B.M. lawsuit easily. […]

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プロセッサ設計の第一人者

しかしアップルとしては Papermaster 氏のプロセッサ設計能力に関心があるのかもしれない。アップルは今年初め PA Semi を買収した。同社はマイクロプロセッサの設計をする小さな会社で、IBM Power デザインに基づくマイクロプロセッサを開発する。当時 Jobs 氏は、PA Semi のハードウェア設計能力を iPhone や iPod のために利用したいと語っていた。

But Apple may also be interested in Mr. Papermaster’s processor design expertise. Earlier this year Apple purchased PA Semi Inc., a small microprocessor design firm that was developing microprocessors based on the I.B.M. Power design. At the time Mr. Jobs said Apple would use that expertise to design hardware for its iPhones and iPods.

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興味をそそるギャンブル

最近まで IBM でプロセッサ設計の専門家だった Papermaster 氏を Jobs 氏が選んだということは実に興味をそそるギャンブルのように思える。Papermaster 氏は高能力コンピュータ設計の第一人者だが、コンシューマ製品の経験は欠いている。

Mr. Jobs’s choice of Mr. Papermaster, who until recently was a processor design expert at I.B.M., appears to be an intriguing gamble. He is an expert in high-performance computing systems, but lacks a background in consumer manufacturing.

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アップルが IBM の PPC の第一人者を引き抜いた背景については様々の推測があるが、CrunchGear の John Biggs がズバリ書いているほか、Paul Murphy[仮名]の推論が大変おもしろい。

ZDNet: “Speculation on Papermaster’s “huh?”: IBM, Apple, and Freescale” by Paul Murphy: 04 November 2008

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契約違反してまで・・・

真面目で慎重な IBM の上級幹部が[競合企業には就職しないという]契約に違反してまで目に余るような行動をとるに至ったのは、一体全体どんなアドバイスをこれまた真面目で慎重なアップルの弁護士からもらったためなのだろうか。

Why then would a sane and serious senior executive, presumably advised by equally sane and serious Apple lawyers, do something so flagrantly in violation of his contract?

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Freescale がらみ

私の答えはこうだ。アップルの Freescale 支配ないしは乗っ取りの準備が整いつつあったからだ。だから、Papermaster をクパチーノに呼び寄せる計画ではなくオースチンの道一つ隔てた反対側へ移らせる計画だったのだ。[注:Freescale Semiconductor, Inc. はモトローラの半導体部分がスピンオフして設立された会社でテキサス州オースチンに本社がある]

My answer is that Apple is getting ready to either take over, or displace, Freescale; and therefore that the plan isn’t to have Papermaster move to Cupertino, but rather just across the street in Austin.

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一刻も早く

Papermaster はまさにこの仕事に打ってつけの人間だ。もしシングルチップノートフォン(?)や高度センサーを作るということなら、アップルの将来の PPC 計画には Freescale 規模の会社と深い技術の理解が必要だ。しかしIBMとの契約のためアップルの仕事に就くことは不可能だった。一方仕事に就かないまま1年も過ごしたのではコネも技術も時代遅れになってしまう。

He’s the right man for the job – and Apple’s future PPC plans clearly need a company of Freescale’s size and technical depth if they’re to make single chip notephones and advanced sensors – but his contract with IBM makes it impossible for him to take it now while simply sitting out a year puts him too far behind on contacts and technology to do the job.

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落しどころは・・・

ということで結論的には、アップルに行かせない代わりに Freescale ないしは獲得済みの PA Semi の製造・流通を担う新会社のトップに就かせるということで解決を見るはずだ。

So what I think we’ll see as the bottom line on this is a settlement with Apple that doesn’t let him go to Apple – but does let him take the top job at Freescale or a company Apple creates as the manufacturing and distribution arm to its PA Semi acquisition.

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この重要な人事が余り目立たないように大統領選のドサクサにまぎれて発表したと Mercury News はいっている。

iPod 部門のトップを辞した Tony Fadell は、上級副社長からコンサルタントになったわけで、細君ともども副社長を辞するところをみると複雑な心境だと思われる。

アップルの PA Semi 買収については、Grand Central という並列プログラミングや開発対象プロセッサなど憶測が絶えないが、どうやらアップルは本気で自前のチップを開発するつもりのようだ。

だとすると、どんなチップを考えているのか。それはどんな製品に使われるのか。「single chip notephones」とは一体何なのか。ますます興味が湧いてくる。

原文を見る:Original TextJohn Markoff
原文を見る:Original TextPaul Murphy

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