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Archive for the ‘株価’ Category

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時価総額 7000 億ドル超えを記録したばかりのアップルが、株価続伸のおかげで時価総額 7100 億ドル超え(約85兆円)となった

Apple: $710 Billion and Counting | WSJ

米アップル株、3日続伸-時価7000億ドル超えの後も値上がり | Bloomberg

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[アップル株はどうなる?:image

第2四半期決算発表を4月23日に控えて、アップル悲観論が充満している。

そんな中で Jason Schwarz が「製品発表カレンダーのカオス」(calendar chaos)という興味深い発言をしている。

製品発表サイクルが大きく変わったため、四半期データではアップルの真の姿は見えてこないというのだ。

Seeking Alpha: “Apple’s Calendar Chaos Trade Of 2013” by Jason Schwarz: 18 April 2013

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製品発表サイクルが変わった

アップルが製品発表サイクルを変更したことから、ウォール街の四半期ベースの予想に慣れた投資家には大きな不安定要素が生じている。歴史的に見てこの世のどの会社より製品発表が大きな話題となるアップルにとって、この製品発表カレンダーが変わったことで、投資家にもアナリストにもアップル財務の真の健康状態を見誤らせてしまう。これはアップル特有の現象で、他のどの企業をとってもアップルほど製品発表が激しく変わるところはない。・・・

Apple’s (AAPL) shifting product release cycle has created a high degree of investor uncertainty within the quarterly biased tradition of Wall Street. For a company that attracts more product release hype than any other in the history of planet earth, this shifting product release calendar has caused investors and analysts to be mislead regarding the true state of Apple’s financial health. It’s a phenomenon unique to Apple because no other company elicits the scope of product release volatility like Apple does. […]

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「製品発表カレンダーのカオス」

・・・2013 年に見られる株価取引の新しい傾向はアップルの発表カレンダーが前年と比べて変化したこと(calendar shifts)と結びついている。この変化を「製品発表カレンダーのカオス」(calendar chaos)と呼んでおきたい。

[…] The hot new trade of 2013 is in sync with Apple’s year over year calendar shifts. We like to call it calendar chaos.

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中国旧正月の特例

この発表カレンダーの変更はアップルの 2013 年第1四半期の業績にどう影響するだろうか? アップル経営陣を除けば誰にも分からない。昨年の第1四半期にアップルは中国で記録的な 79 億ドルという収益を挙げたが、これは「度肝を抜くような」 iPhone が中国の旧正月に併せて発表されたからだった。2013 年第1四半期には新製品の投入がなかったことが中国の売上にどう影響するだろうか? アップル経営陣を除けば誰にも分からない。こんな表現は使いたくないが、前年同期と同じ数字と比較するだけでは分からないままだ。

How will this calendar shift affect Apple’s Q1 2013 earnings? Nobody outside of Apple’s own management team has a clue. Last year in Q1, China accounted for a record $7.9 billion of Apple’s revenue because of the ‘mind-boggling’ iPhone launches in conjunction with the Chinese New Year, how did Chinese sales hold up without a new product launch in Q1 2013? Nobody outside of Apple’s management team has a clue. I hate to use this phrase but when you take away apples to apples year over year comparisons, you’re left in the dark.

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最悪の四半期

アナリストがそこら中で予想をしている。誰にもヒントがないので、投資家は将来への不安でいっぱいだ。これまでで初めて、4月23日のアップル決算発表の予想はアナリストの期待を下回っている。われわれは 2003 年以来最悪の四半期になるだろうと予想している。その結果もあってアップル株は発表前に 75 ドルも安く売られてしまった。発表カレンダーが不確かとなったことでみんなは無人地帯に放り出されてしまったのだ。いまや世界で最も優れた会社の株価収益率[P/E:price-to-earnings ratio]はデルより低くなってしまった。いったいどうなってるんだ?

Analyst expectations are all over the place. Because nobody has a clue, investors are consumed with negative uncertainty. For the first time ever, the whisper number for Apple earnings on April 23rd is actually below analyst expectations. We’re assuming this will be the ugliest quarterly report since 2003. As a result, the stock has sold off another $75 in the weeks leading up to it. Calendar uncertainty has left us in no man’s land. The greatest company in the world now has a p/e less than Dell. What’s going on?

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新しいパラダイム

前年同期の四半期と業績を比較するだけでは、アップルの健全さを正確に知ることはもはやできなくなった。にも関わらずウォール街は昔ながらの伝統をかたくなに変えようとしない。この断絶からアップルの株価を考える際の新しいパラダイムが生まれるのだ。前年の同じ時期と違って次の四半期に製品発表という有利な点があれば株価上がり、前年同期に比べ製品発表という利点がなければ株は安く売られることになるだろう。

Year over year quarterly earnings comparisons no longer provide an accurate indicator of Apple’s health and yet Wall Street refuses to deviate from its time tested tradition. This simple disconnect has created a new paradigm for Apple stock action. The stock will flourish when the next quarter has a product launch advantage compared to its year over year counterpart and the stock will sell off when the next quarter has a product launch disadvantage compared to its year over year counterpart.

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四半期データではなく年データへ

アップルが健全かどうか正確に知りたいなら、3か月データではなく12か月データを分析すべきだ。2012 暦年にはアップルの収益は 28.7%、純益は 26.4% 伸びた。iPhone の販売台数は 45.9% 増だった。この伸び率は本日発表されたベライゾンの iPhone の伸び率が 25% というデータとも完全に一致する。成熟したアップルの成長率は 20%〜30% というところに落ち着いてきた。参考までにスタンダード・アンド・プアーズ総合500種株価指数(S&P 500)の収益の伸び率は 2012 年第4四半期で 4.1%、2013 年の予想は 3.2% というところだ。グーグルのコアとなる収益の伸び率は第4四半期で 21% だった。20%〜30% の成長率をアップルは維持出来るだろうか? もちろんイエスだ。問題は「製品発表カレンダーのカオス」(calendar chaos)で歪められた四半期データが、悪い時期には投資家を悪い方へ、良い時期には上方へミスリードしてしまうことだろう。

For those who are interested in an accurate view of Apple’s health, analyze 12-month data rather than 3-month data. During calendar year 2012, Apple grew revenue by 28.7%, net income by 26.4% and iPhone unit sales by 45.9%. This growth expectation fits perfectly with today’s Verizon data that showed a 25% year over year increase in iPhone sales. Apple appears to have settled into to a mature growth rate between 20%-30%. To put this in perspective, the earnings growth rate of the S&P 500 in Q4 2012 was 4.1% and the expected growth rate for 2013 is 3.2%. Google’s core revenue growth rate in Q4 was 21%. Can Apple rally with 20%-30% growth? Of course it can. The problem is that quarterly data skewed by calendar chaos will mislead investors to the downside in a bad quarter and will mislead investors to the upside in a good quarter.

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新製品発表があったかどうかを加味しないと、単なる四半期データの比較では真の姿は見えてこないという考えはなかなか説得力があるような気がする。

(上に紹介した部分に続いて、投資家はアップル株にどう対応すべきか3つのポイントが示されていて、こちらも興味深い。)

業績を大きく変えるイベントの有無という視点からアップル株を分析するアナリストはどれほどいるだろうか・・・

★ →[原文を見る:Original Text

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Update:Dediu の分析を読み解く》

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[アップルの業績を分析する:diagram

株価下落の引き金となった決算発表だったが、昨年末のアップルの業績はそんなに悪かったのだろうか。

Horace Dediu の分析が興味深い。

asymco: “Margin Call” by Horace Dediu: 05 February 2013

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利益率の低下

アップルの利益率は、絶好調だった 2012 年第1四半期の 47% から、2012 年第4四半期にはそれまでになかった 38% にまで落ち込んだ。利益率が低下したことは売上価格の低下あるいは競争力の喪失をもたらす予兆となるのだろうか。

During the fourth quarter 2012 Apple’s margin fell to about 38%, a level not seen since two years earlier and down from a peak of 47% in Q1 2012. Does this lower margin foretell lower prices or a loss of competitiveness?

どう考えてもそうではない。

Obviously not.

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2011 年と 2012 年を比較する

冒頭の図は 2010 年、2011 年、2012 年の第4四半期の総売上高(Revenues)、売上原価(Cost of Sales)、営業経費(Operating expenses)、租税(Taxes)、純利益(Net Income)をそれぞれ3年分対比したものだ。特に興味を引かれるのは、2011 年と 2012 年の違いだ。2012 年の粗利益(Gross Margin) — 伸び率ではなく絶対額で矢印を付した部分 — が前年とほぼ同じであることに注目してほしい。租税と営業経費もほぼ同じなので、純利益も前年とほぼ同じだ。

The diagram shows Revenues, cost of Sales, Operating expenses, Taxes and Net Income relative to each other for the fourth quarters of 2010, 2011 and 2012. Of interest is the difference between 2011 and 2012. Note how the 2012 Gross Margin (absolute, not as a percent, identified with the arrow) did not change much from the year before. As Taxes and Operating Expenses did not change much either, the earnings were quite flat y/y.

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製造コストの増加

にも関わらず、総売上高は大幅に増加していることに注目して欲しい。粗利益(絶対額)はほぼ同じで、売上高が増えているので、利益率は減少する。これは売上原価が増加したためだ。売上高より売上原価の増加率が大きかったのだ。

However note also that total sales increased quite a bit. As the gross margin (absolute) remained steady and sales increased the margin as a percent fell. But the cause is that cost of sales also increased. They increased faster than sales increased.

2011 年第4四半期(期間調整済み)に比較すると、売上高は 27% 増、売上原価は 30.5% 増だ。2012 年後半には利益率が減少したが、これは製品の製造コストが増加したためだ。

Relative to adjusted 4th quarter 2011 Sales increased by 27% while Cost of Sales increased by 30.5%. Margins shrank in late 2012 because the products were more expensive to make.

単純な算術の問題なのだ。

It’s simple arithmetic.

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利益率低下=競争力低下ではない

売上高が増えれば売上原価も増えることはすぐ分かる。このため利益率も、売上高の一部として減少する。その原因はコストが増えたことにあり、価格が下がったからではない。

We can at a glance see that the cost of sales increased as a proportion of sales. Therefore the margin decreased as a percent of sales. The cause is higher costs, not lower pricing.

事実、前に分析したように価格はほぼ同じで変わっていない。(iPad が唯一の例外で下がっている。)もし価格に変化がなければ、競争力の問題は生じない。利益率の低下が競争力の低下につながるという根拠のない議論は簡単に論破できる。

In fact, pricing analysis was already performed and showed that they largely held steady (iPad being the only decline). If pricing is unchanged then competitive issues are not to blame. The supposed link between lower margins and some mythical loss of competitiveness can be easily disproved.

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学習曲線

明らかなことだ。なぜなら、誰でも知っているように、製造コストは製造量が増えるにつれ減少する。いわゆる学習曲線といわれるものだ。これはアップルが — どの企業であれ — 製品を出すたびに必ず起きたことだ。

Obviously. Because, as everyone knows, costs of production fall as output increases. It’s due to something called the learning curve. It’s something that has happened for all of Apple’s (or anyone else’s) product launches forever.

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利益率が低下したことから、アップル製品に対する需要が減り、したがってアップルは峠を越えたとウォール街が判断したため株価下落を招いた。

Horace Dediu の分析によれば、総売上げは大幅に増加しているのだから需要は減っていないことになる。むしろ、利益率低下の背景には製造コストの大きい製品へのシフトがあったという点が注目される。

2012 年は主力製品が一斉にリニューアルされた年だった。iPhone 5、iPad 4、iPad mini それに iMac などメジロ押しだった。

それまでとは異なる部品を使った製品が一斉に登場し、製造が需要に追いつかなかった。

製造コスト増という Dediu の視点は注目に値するのではないだろうか・・・

★ →[原文を見る:Original Text]

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《Update》Dediu の分析を読み解く(2月8日)

もともと数字に弱いので、経営分析とか株価の話になるとサッパリだ。

売上高、原価、営業費、公租公課、純利益なんてことばが並んだだけで脳細胞が拒否反応を起こしてしまう。

それでも数字が図になると、少しは分かったような気になる。今回の Dediu の分析がまさにそうだった。

一見複雑に見えるが、要は「売上 − 原価 = 利益」を図示しただけの話だ。

冒頭の図の左端が製品別に積み上げた売上高。その右が原価の合計だ。したがってその差額が粗利益[Gross Margin:売上総利益、粗利益]ということになる。

色をつけた部分が粗利益の内訳で、緑色が純利益だ。

これでクリスマス四半期の過去3年分を簡単に比較できることになる。

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2011 年のクリスマス期と比較するときは注意がいる。

このときアップルは空前の最高益を叩き出した。歴史的にみてもかつて石油価格高騰のさなかに ExxonMobil が叩き出した最高記録に次ぐものだ。これによってアップルは名実共に米国最大の企業となった。

叩き出した利益は巨額なものだったが、この四半期は他の年に比べ1週間だけ長いという特殊事情があった。

したがって 2011 年のクリスマス期と比べるときは、その点を考慮する必要がある。Dediu が期間調整済みとしているのはそういう意味だ。

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Dediu の結論は明々白々だ。

昨年のクリスマス期にアップルの売上高は大幅に増えた。(したがって需要は減っていない。)純利益も増えた。ただし、純利益の伸び率となるとプラスではあるがほぼ横ばいという感じ。

それでも空前の最高益を出した 2011 年よりアップルの業績がよかったことは間違いない。

これだけの業績を出しても期待はずれだとしたウォール街。一方期待はずれでも株価が値上がりしたアマゾン。・・・これはもう「飲まなきゃ、やってられないよ」(I need a drink.)と John Gruber が慨嘆するのも宜(むべ)なるかな、だ。

いかに株価が期待値のゲームだとしてもこれはなかなか理解しがたい。

今後も検証は続きそうだ・・・

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追記:部品発注の減少は事実だという点について

なお、サプライヤーへの部品発注が減ったという事実は確かにあったという報道も後を絶たないようだ

減ったのが旧来モデルの部品なのか、それとも新しいモデルのものかによって話は大きく変わってきそうだ。

サプライチェーンは巨大化・複雑化している。

特定の部品メーカーの特定の部品発注が減ったことを理由に、その製品自体の需要が落ち込んだと結論づけるには、もっと詳しい証拠が要りそうだ。

さもなくば、「バリューチェーンの遥か下流の日本の匿名のソースが、世界市場の消費動向について知っているという主張をサポートするものは何もない」と Dediu に言われかねない・・・

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アップルの業績は記録破りのものだったが、案の定ウォール街の反応は冷たく、発表直後に株価が下落した

Daring Fireball: “After Hours” by John Gruber: 23 January 2013

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時間外取引(After Hours)

売り上げも純利益も、さらには iOS デバイスの売り上げも、記録破りの好成績だったのに、アップルの株価は(営業時間中より動きの激しい)時間外取引で1割以上も下落した。これは当然の話だ、なぜなら・・・、ウ〜ン、なぜなら時間外取引をやっているのはおバカな連中だから・・・とでも言う他ない。もうお手上げだ!

After reporting record-breaking revenue, profit, and iOS device sales, Apple’s stock is down over 10 percent in after-hours trading (which is often more volatile than regular trading), which makes sense because, uh…, because after hours investors are a bunch of idiots? I give up.

アップルの時価の1割がどのくらいのものか、Tom Gara がつぶやいている。

For perspective on how much 10 percent of Apple’s market value is, Tom Gara tweets:

「アップルの業績が発表された結果、ノキアと RIM を合わせた額の更にその2倍分だけアップルの時価は下落した。」

Apple’s market value has fallen by the combined market value of two Nokias plus two RIMs in the hours since its results came out.

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「もうお手上げだ!」というところに Gruber の気持ちが滲んでいるように思える。

1月18日に 500.00 ドルぴったしで株価が引けたことに対して株価操作の疑問を呈した Gruber に、ゼロがいくつも並ぶなんてよくあることで至極当たり前だと述べた市場専門家(?)の反応が興味深い。

満期日が近づくにつれてコール市場では大量の売り(put)と買い(call)が殺到して綱引きを始めるから、結果として切りのいい数字で収まるのはよくあることだというのだ。だからアマチュアは金融取引に手を出すなともいっている。

無念やるかたない Gruber は、切りのいい数字が問題なのではなく、アップルバッシングを流すことで儲けを手にした連中がいたことが問題なのだと反撃している。

どうやら株価とはまったく別種の生き物らしい。

業績の善し悪しとは無関係に動く株価に一喜一憂させられる経営者とはまことに気の毒な存在だということか・・・

★ →[原文を見る:Original Text]

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[AAPL $500.00:image

iPhone 販売が伸び悩んでいるため液晶パネルの発注を半分に削減したというニュースは大きな話題になった。

この日経/WSJ の記事に対する疑念や、テクニカルライターたちの反応もまだ記憶に新しいところだ。

気になったのは「アップル株を買うなら1月18日に買いなさい」という John Gruber が指摘した記事だ。

なにやら機関投資家が絡んでいるらしいこと、1月19日にはコールオプションが失効することぐらいしかシロウトの筆者には分からなかった。(1月19日にはマーケットが閉まってしまう。)

その後米国時間の1月18日に Gruber はまた次のように書いている。

Daring Fireball: “AAPL: $500.00” by John Gruber: 18 January 2013

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ぴったしカンカン

今週初めにリンクを貼った記事を覚えているだろうか。Joe Springer は(ずっと前の11月に)次のような指摘をした。もし今日アップル株が 500 ドルないしはそれ以下で引ければ、この夏にアップル株の大量オプションを売った機関投資家が莫大な利益を手にすることになる、と。今日の引け値は 500.00 ドルぴったしだった。

Remember the piece I linked to earlier this week, wherein Joe Springer pointed out (all the way back in November) that large institutional investors who’d sold options on Apple’s stock back in the summer stood to profit by billions if AAPL closed today at $500 or under? It closed at $500.00.

これでも何か人為的な不正が仕組まれたと考えないのなら、そんなひとのために「橋売ります」の張り紙[注]はまだとってある。

[注]I have a bridge to sell you. から

I still have that bridge to sell you if you don’t think the fix was in on this.

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500.00 ドルぴったしというのはどう考えても出来過ぎのような気がするが、株の話というのはサッパリ要領を得ず分からない。

その意味でデータの達人 Horace Dediu のポッドキャストが大変オモシロかった。

iPhone ディスプレイの発注量が半分に削減されたという例のニュースに関するもので、証拠もないまま取り上げたのは「悪趣味だ」(distasteful)としている。

The Critical Path #71: Max Headroom | 5by5

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極端な主張には特別な証拠が必要

・元になったのは12月のアナリストの記事、しかもこのアナリストはアップル製品に詳しいアナリストではなかった
・その話を1月になって、信頼すべきと思われている日経と WSJ が取り上げた
・部品発注と製品需要は即直結してはおらず、その間に検討すべき要因がたくさんある
・たとえば iPhone の場合はイールド[yield:出来高、歩留まり]も大きな問題(新製品であるスクリーンはイールドが低いため発注量は大きくなるが、技術の習得につれてイールドは下がる)
・科学的知識の原則は、極端な主張には特別な証拠が必要だということだ。バリューチェーンの遥か下流の日本の匿名のソースが、世界市場の消費動向について知っているという主張をサポートするものは何もない。[12:30 分ごろ]

The rule of science is extraordinary claim require extraordinary evidence. And there’s nothing extraordinary about an unnamed sources in Japan far down in the value chain claiming that the knowledge about what’s happening in the global market in terms of consumption.

・事実のチェックが必要
・はっきりとした証拠がないままアップルの株価が激減した
・これはアップルがマーケットで非常に敏感になっていることで何か間違っていると思う
・そんなウワサを取り上げるのは趣味のいいことではない(distasteful)

例によってこのほかにも多くの興味深い指摘があるので、ぜひともご自分で全体をお聞きください。

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じつは1月18日にはもうひとつ大きなニュースがあった。

Reuters: “Exclusive: Japan’s Sharp cuts iPad screen output” by Reiji Murai and Miyoung Kim: 18 January 2013

生産をほぼ停止

シャープはアップル iPad 用の 9.7 インチスクリーンの生産をほぼ停止したと2つのソースが語っている。需要が小型の iPad mini に移ったためではないかと思われる。

Sharp Corp has nearly halted production of 9.7-inch screens for Apple Inc’s iPad, two sources said, possibly as demand shifts to its smaller iPad mini.

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これまた例の日経ニュースを伝えたのと同じロイターによるもので、東京/ソウル発になっている。

今回は「半分に削減」などではなく、「生産をほぼ停止」というのだからそのインパクトは非常に大きい。

Dediu に従えば「極端な主張には特別な証拠が必要」ということだろう。

1月19日という日付が何を意味するのか、1月23日の決算発表を経てアップルの株価がどう変化するのか、門外漢としてはその推移を見守るしかない・・・

★→[原文を見る:John Gruber
★→[ポッドキャストを聞く:Horace Dediu

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Update:話したくても話せないアップル》

iphone-5-apple-235

[iPhone 5 の部品発注が半減か:image

日経に端を発し、WSJ が伝えた記事がマーケットを駆け巡った。

iPhone 5 の需要が弱いため来期の部品発注を半分に削減するというものだ。

BGR: “iPhone 5 analysis: Reports of component cuts are curious, at best” by Tero Kuittinen: 14 January 2013

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部品発注半減という奇妙な数字

アップルは3月期の iPhone 5 ディスプレイ部品発注を大幅に減らしたと報じた日曜夕刊のウォールストリートジャーナル(WSJ)の記事は大きな注目を集めた。この記事は元々は日経が報じた iPhone 5 ディスプレイの発注が当初計画の 6500 万台から半減したという記事をそのまま伝えているように思える。そうなら大幅な修正ということになる。しかしこの同じ新型ディスプレイは iPhone 5 だけでなく最新の iPod touch でも使われている。しかし WSJ も日経もこの点については触れず、両紙とも iPhone 5 ディスプレイだけに関するものとしている。

The Sunday evening Wall Street Journal article claiming that Apple (AAPL) had cut its iPhone 5 display orders drastically for the March quarter made quite a splash. The WSJ piece seemed to support the original Nikkei claim about Apple cutting its iPhone 5 display orders in half from the originally planned order of 65 million units. This would be a massive adjustment. But Apple uses the same new display type for both iPhone 5 and the latest iPod touch. Neither WSJ nor Nikkei addressed this, however — both seem to be referring to just iPhone 5 displays.

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季節変動から軟調な3月期

今クリスマス四半期の iPhone の販売予想は約 5200 万台というのが概ねの予想だ。そのうち iPhone 5 の分は 3000 から 4000 万台と多めに見積もってみよう。3月期は軟調なので iPhone 5 は 2500 から 3500 万台になるだろう。最新の iPod touch も同じく3月期はクリスマス期にくらべて半減するとすると、400 万台近くの数字が同期の4インチ Retina ディスプレイ搭載デバイスの販売台数合計に加わることになる。

The latest estimates for iPhone sales during the Christmas quarter average around 52 million units. Let’s assume (charitably) the iPhone 5 portion of this may be anything from 30 to 40 million. In the seasonally soft March quarter, iPhone 5 unit sales might be 25 to 35 million units. Sales of the latest iPod touch tend to drop by 50% from the Christmas quarter to the March quarter, but could add 4 million units to the total number of devices equipped with 4-inch Retina displays Apple sells in the quarter.

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日経の 6500 万という数字

したがって、3月期の4インチスクリーンの予想は 3000 から 4000 万台になると考えてもおかしくない。なぜ日経はディスプレイ発注台数を 6500 万台から半減させたと報じたのだろうか? 日経の記事は 6500 万という数字については非常に具体的だ。しかも iPhone 5 の部品発注に限っていて、iPhone 全体ないしは iPhone 5 および iPod touch であるとはしていない。

So if the most likely number of 4-inch screens Apple is reasonably expected to sell in March quarter is around 30 to 40 million units, why did Nikkei publish a report stating that Apple had halved its display orders for the quarter from 65 million units? Nikkei was quite specific about the 65 million number. And it clearly tied it to iPhone 5 component orders, not total iPhone or iPhone 5 and iPod touch orders.

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一体全体なぜ?

季節変動からみて軟調な3月期に、一体全体どうしてアップルが 6500 万台もの iPhone 5 の部品発注をするなんて考えたのだろうか?

In what world did Apple expect to order components for 65 million iPhone 5 handsets in the seasonally soft March quarter?

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最新版からは削除された

この計算の奇妙さは、6500 万台という数字が WSJ の最新版の記事では 削除されていることに極まれりだと思う。WSJ は米国東部時間日曜午後8時から月曜午前7時までのいずれかの時点でこの数字を削除する決定をした。もしも 6500 万台という数字が正しくないのなら、3月期の発注見込みが半減するという点は果たして正しいのか?

Perhaps the weirdness of the math is why the current version of the WSJ article no longer cites the 65 million unit figure. Sometime between Sunday at 8:00 p.m. EST and Monday at 7:00 a.m., the Journal decided to drop the number from its article. But if the 65 million number is not right, is the estimate for halving March orders correct?

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一気に緊張感が・・・

アップルのクリスマス期決算および3月期見込みに対する緊張感は幾目盛り分も跳ね上がった。

The tension ahead of Apple’s holiday-quarter earnings report and March quarter guidance just went up a few notches.

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報道の基本である数字の信憑性が問われていることになる。

この記事を受けてアップルの株価は大幅に下落し、一時500ドルを割り込んた

これは株価操作ではないのかと John Gruber が批判している。

Daring Fireball: “The Strange Math of Apple’s Purported Massive iPhone 5 Component Cuts” by John Gruber: 14 January 2013

株価操作ではないのか

来四半期の 6500 万という発注台数はほとんど意味をなさない。同記事では部品発注が「半減」したというがその元になるはっきりした数字を挙げておらず、しかも来四半期の数字は今から3か月後にアップルが iPhone の実販売台数を発表して初めて明らかになるものだ。その間にこの記事のせいでアップルの株価は下落した。これに株価操作の臭いを感じないというのなら、アナタはなんでも信じるバカだ。[注]

[注]I have a bridge to sell you.:ブルックリン橋が売りに出るはずはないのにひっかかるバカがいる(The Brooklyn Bridge has never been for sale, but has reputedly been sold to many unsuspecting dupes.)ことから、「お前って騙されやすいバカだな」の意。

The reports claiming 65 million displays for next quarter make little sense; the reports that claim component orders have been “halved” but without any specific numbers can’t be verified three months from now when Apple reports its actual iPhone sales for the coming quarter. In the meantime, of course, Apple’s stock took a beating today on these reports. If you don’t smell stock manipulation here, I have a bridge to sell you.

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クリスマス期のアップル決算にはみんなが注目している。今月末の決算発表の時点ではいずれこの数字の「奇妙さ」も明らかになるだろう。

大手紙ならばその数字の根拠を問われそうだ・・・

★→[原文を見る:BGR
★→[原文を見る:Daring Fireball

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《Update》話したくても話せないアップル

安物携帯(cheap iPhone)をアップルが出すというウワサが出たとき、直ちに反論したのは Phil Schiller だった。

しかし今回はアップルがそうできない事情があるのだと Jim Dalrymple がいっている。

The Loop: “Apple can’t respond to rumors of iPhone 5 cuts even if it wanted to” by Jim Dalrymple: 14 January 2013

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なぜアップルは発言しないのか

iPhone 5 の発注が大幅に削減されたとの WSJ 記事に対して、なぜアップルが発言しないのかと何度も質問を受けた。そうしようにもアップルはそうできないのだ。

I’ve been asked a lot today why Apple hasn’t responded to the Wall Street Journal article saying that there have been massive cuts to iPhone 5 orders. The simple fact is, they can’t.

米証券取引委員会(SEC)の規則は、アップルが自社について公に発言することを禁じている。これは上場株式会社が従うべきルールで「沈黙期間」(quiet period)として知られている。

SEC rules prohibit Apple from talking publicly about the company. This is known as a quiet period and all publicly traded companies must adhere to these rules.

WSJ なら「事情に詳しいひとからの情報」としていくらでも書くことは可能だが、アップルが語れることはあまりない。

The Wall Street Journal can publish more of its “according to a person familiar with the matter” and there isn’t a lot Apple can say.

2013 年第1四半期のアップル決算発表は1月23日 — 来週の水曜日に予定されている。

Apple is scheduled to release its Q1 2013 earnings on January 23, 2013 — next Wednesday.

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アップルが公に発言しにくいウワサなどについてよく非公式代理人の役割を演ずる Jim Dalrymple だが、この SEC ルールというのは分かりにくい。

「アップルとしていいたいことは多々あるが、来週水曜日までは口にできない」ということか・・・

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[株価は設備投資と相関している:chart

数字の達人 Horace Dediu がとても興味深いことをいっている。

アップルの設備投資を見ればアップルの株価が読めるというのだ。

asymco: “Using Capital Expenditures to predict Apple’s share price” by Horace Dediu: 04 October 2012

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設備投資 → 生産量

前回の記事でアップルの設備投資[capital expenditure:CapEx]が生産量と関係することを説明した。投じられた資本と生産された製品量はまさしく関係している。

In previous articles I explained how Apple’s expenditures of capital for equipment used in manufacturing affects their output of products. The relationship between capital in and product out should stand to reason.

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販売収入も予想できる

もっと驚くべきは、アップルがどれだけ投資するか(支出する1年前に予算として提示されるので)事前に分かるという点だ。したがって生産量がどれほどになるかもおおよそ見当がつく。そして通常需要が供給を上回るので、アップルの販売収入も予想できることになる。

The more surprising aspect of that analysis is that we get to know in advance how much Apple spends (since they tell us their budget a year before it’s spent.) and therefore it becomes possible to get a rough idea of how much they will produce. And since demand has generally been higher than supply we can get an estimate of how much Apple will sell.

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じゃあ、株価はどうなる?

この論理パズルでひとつだけ抜け落ちているのは、設備投資から株主がどれだけ裨益するかという点だ。その関係をグラフで示そうと思う

The only missing piece to this logic chain is to estimate how much will shareholders benefit from the capital expenditure. I’ll try to establish the relationship through a build-out of graphs.

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かくて Horace Dediu は過去6年分のデータ(経済危機や iPhone・iPad の発表を含む6会計年度分)を検証する。[冒頭チャート]

iPhone や iPad の販売収入を積み上げて棒グラフにしたものと株価を重ねると、株価に与える影響がはっきりすると Dediu はいう。[それぞれ最高点が一致するように垂直方向の目盛りが調整されている。]

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500 億ドルの収入 → 800 ドルの株価

販売収入が増えれば株価が上がるという関係は明らかだろう。販売収入の増加は大部分 iPhone・iPad によるものであり、株価の上昇についてもそれがいえることに注意して欲しい。しかしこれまた驚くにはあたらない。おおざっぱにいえば、四半期収入が 500 億ドルになれば、株価は 700〜800 ドル圏になるといえる。

The relationship between growing sales and growing share price is plain to see. Note that the iPhone and iPad account for the vast bulk of sales growth and hence they are mostly responsible for the share price appreciation. Again, this should not be surprising. The scale gives an approximation of the relationship where $50 billion in quarterly revenue roughly yields a share price in the $700 to $800 range.

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直近の設備投資をみれば・・・

前回設備投資(CapEx)を利用した生産量予測で示したように、iPhone・iPad を大宗とする iOS デバイスの出荷量はその前の四半期の設備投資と相関する。この歴史的関係を踏まえれば、今後の2四半期の iOS ユニット生産量は大幅に増加する。低目に見積もっても1億 6300 万ユニットになるだろう。

As I’ve shown in the last post on forecasting production using CapEx (focus on the last chart) iOS device shipments (mostly iPhone and iPad) correlate with capital expenditures in the previous quarter. Using the historic relationship, the next two quarters could see a significant increase in iOS unit production. The sum of the low end of the range implies about 163 million units.

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[未来を読む:chart

かくて、設備投資(CapEx)→ 生産量(Production)→ 株価(Share price)の関係を示したのが上のチャートだ。

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未来を覗く

設備投資は生産が1期遅れになることを考慮して右にずらしてある。投資額は生産より前に決まっていることを思い出して欲しい。したがってこれは未来を覗いていることになる。

The CapEx data shows the offset to the right due to the relationship with production being time shifted by one quarter. Recall that expenditures are booked ahead of output and therefore we have this apparent view into the future.

第4四半期(10月から12月)の設備投資支出も、製品生産も終わったばかりだ。

The fourth fiscal quarter’s spending has just ended and the output will be produced during October-December period.

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これまでどおりになるか

当然つぎのような疑問がわいてくる。生産量はこれまでのように設備投資に応じて増加するだろうか、いいかえればデバイス別に積み上げた棒グラフはベージュ色の棒グラフと同じになるだろうか、さらには株価はこれまでのように生産量に比例するだろうか、即ち株価の赤線はベージュ色の棒グラフと同じになるだろうか?

The obvious question is whether production will increase in response to spending (as it has in the past), or, put another way, will the stacked bar areas follow the beige bars and, furthermore, will share prices follow production (as they have in the past) and thus the red line will follow the beige bar.

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設備投資が倍増すると・・・

カネを産むにはカネが要る。設備投資に四半期当たり 15 億ドル投じると株価は 800 ドルになるという関係があるようだ。それが 30 億ドルに倍増すれば、株価は同じ比率で上がるのだろうか?

It takes money to make money. The relationship seems to be that $1.5 billion of CapEx per quarter yields a share price of $800. With spending reaching $3 billion per quarter will the share price reflect a similar ratio?

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Dediu の最後の文章は疑問文で終わっているが、株価は 800 ドルの倍の 1600 ドルになるのだろうかいっているのと同じだ。

iPad mini イベントの2日後10月25日)には最新の決算発表が予定されている。

Dediu の分析がどういう結果になるのか興味津々・・・

★ →[原文を見る:Original Text

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