[ジョブズについて語る Aaron Sorkin:Bloomberg Video]
ソニーのジョブズ伝記映画の脚本家 Aaron Sorkin が、かの有名なジョブズのスタンフォード大卒業式スピーチを手伝ったことを明かしている。
Aaron Sorkin on Steve Jobs Biopic: You Could Do Ten Movies | Bloomberg Video
* * *
いくつか手を入れただけ
3度目にジョブズが電話してきたとき、スタンフォード大の卒業式スピーチの手伝いをしてくれと頼まれました。・・・実際のところ、彼の手書き原稿(typos)にいくつか手を入れただけです。私のアイデアがそこに反映されているというつもりは毛頭ありません。あれはジョブズ自身のアイデアです。自分はそれに快い響きを与える手伝いをしただけです。
Aaron Sorkin: “The third time [Steve Jobs] called me was to ask me to help him write his commencement address at Stanford. … Honestly, I fixed a couple of typos in the speech — I don’t want to suggest for a moment that any of those thoughts were my thoughts. That is the brain of Steve Jobs. And [I] helped him put the music to it.”
* * *
ちなみに Walter Isaacson の書いたジョブズの公認伝記本によれば:
・‘Steve Jobs’ by Walter Isaacson: Simon & Schuster
・「スティーブ・ジョブズ」ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳:講談社
* * *
なんども助けを借りようとした
このスピーチをおこなうにあたり、ジョブスは優れた脚本家のアーロン・ソーキン(『ア・フュー・グッドメン』『ザ・ホワイトハウス』)の助けを借りることにした。
とりあえず、いろいろとアイデアを送る。
「それが2月だったんだけど、そのあとなにも言ってこないんだ。どうなっているかと4月にたずねたら『ああ、うん』と言うから、また少しアイデアを送った。ようやくつかまえても『うんうん』ばかりで、気がついたら6月になっていて、なのになにも送ってきてくれなかった」[井口耕二訳]
For help with the speech, he called the brilliant scriptwriter Aaron Sorkin (A Few Good Men, The West Wing). Jobs sent him some thoughts. “That was in February, and I heard nothing, so I ping him again in April, and he says, ‘Oh, yeah,’ and I send him a few more thoughts,” Jobs recounted. “I finally get him on the phone, and he keeps saying ‘Yeah,’ but finally it’s the beginning of June, and he never sent me anything.”
* * *
結局自分で書いた
ジョブズはパニックになった。プレゼンテーションの原稿はいつも自分が書くが、卒業式でなにをしゃべればいいかわからなかったからだ。ある晩、意を決して原稿を書いた — アイデアを妻にぶつけ、その意見を聞きながら。こうして、わかりやすくて人間味にあふれるスピーチが生まれた。スティーブ・ジョブズという完璧な製品に対する個人的な思いを飾らずつづったスピーチだ。[井口耕二訳]
Jobs got panicky. He had always written his own presentations, but he had never done a commencement address. One night he sat down and wrote the speech himself, with no help other than bouncing ideas off his wife. As a result, it turned out to be a very intimate and simple talk, with the unadorned and personal feel of a perfect Steve Jobs product.
* * *
Walter Isaacson が書いた伝記本の映画化の脚本を Aaron Sorkin が手掛けるのもそれなりの理由があった。
願わくば『ソーシャル・ネットワーク』のような描き方だけはしないで欲しい・・・
typos は「手書き原稿」ではなく, 「綴り間違い」ですね. 「いくつかの書き間違いを直しただけだった」
> yamadamasaki さん
ご指摘の点については いささか悩みました
Aaron Sorkin は映画の台本作家です ジョブズとしては いいスピーチになるように(put the music to it) アドバイスを求めたハズです
それにどこかで typos = typoscript = typescript[タイプで打った原稿、手書き原稿] と見た記憶があって こんな訳になってしまいました (どこで見たのか 確認できません)
もし原義どおりタイプミスなら 誤字・タイプミスの訂正を依頼した ジョブズが可哀想です
・・・とはいっても 少し離れすぎでしたかねえ
件のビデオの1’12’’のところで、”タイポを直しただけ”と言って一瞬口角が上がってニヤついているように見えるので、シャレではないかと。もちろん実際には内容や構成にアドバイスしているのに決まっているのだが、わざとそう言って謙遜して見せたのだ。しかしインタビュアーはよくここを突っ込んでくれた。彼女がたまたまスピーチの現場にいたというのがフックになったのかもしれない。こういうのが生のインタビューの醍醐味だと思う。
[…] […]
[…] […]
[…] Aaron Sorkin: […]
[…] […]