Apple Watch の秘密は本体とバンドをつなぐコネクターの部分にあるという Drew Breunig の視点が興味深い。
The Watch Band Connector is its Most Critical Component | DREWBOT
コネクターという存在によって、コンピュータであるが故に必然的に陳腐化する本体と、大きなマージンが期待できる美しいデザインのバンドを分離することが可能になるというもの。
これは Apple Watch が iPhone の失敗から学んだためだという。
その失敗とはつぎの2つ。
1)単一モデルしか出さなかったためライバルが参入する余地(price umbrella)を許した
1. They left a ‘price umbrella’ in their product line.
2)iPhone ケースの持つ可能性を見誤り、みすみすマーケットを失った
2. Apple underestimated and missed the market for iPhone cases.
これによって複数の高額モデルが可能になり、マージンを稼げ、ライバルの参入もふせげる。
なかなかおもしろい視点だと思う。
iPhone 6/6 Plus もライバル Android に対する失敗(?)から学んで製品を多様化したのだろうか。
これもまた躊躇せず失敗から学ぶ Tim Cook のアップルということか・・・
その説は少し腑に落ちない感じがします。
1)単一モデルしか出さなかったためライバルが参入する余地(price umbrella)を許した
元々、Appleは市場を独占するつもりも、それが可能とも考えていかなかったと思います。
それはMacでの成功と挫折の経験から分りきっている事実なので。
モデルを絞る事でコストダウンを計り、それにより端末の作り込みにコストを掛ける。
当然サポートのコストも抑えられ、利益率を高水準に保つ事が出来た。
Apple一社がバリエーションを揃えた所で多勢に無勢。全くMacの低迷期と同じ構図になっていたと考えます。
2)iPhone ケースの持つ可能性を見誤り、みすみすマーケットを失った
AppleはiPodの頃からケースを販売ており、ケースの様な周辺機器の重要性は理解していたと思います。
周辺機器は基本他社に任せているのもiPodの時から変わっていません。周辺機器の豊富さはエコシステムとしてiPhoneの大きな成功要因の一つとなりました。
iPhoneとAppleWatchの大きな違いは、手首には既に時計という指定席が有り、それは道具としてより、ファションとして人の暮らしに根付いている事。
これに対し、iPhoneや殆どのウェアラブル端末の様に単一の機種で挑んだ場合、どんなに利便性を説いても、その場所を奪う事は出来ない。
だからベルトと画面上の盤面表示を組み合わせる事で個性を演出する方向性を打ち出した。
現時点の発表、AppleのPVから読み取れる事は以上です。自分が思っていた以上に「時計」を前面に押し出しているのには驚きました。
時計を着けない層だけでなく、本気で時計から指定席を奪うつもりなのだと感じました。
今の所、Appleは(iPhoneに関して)何も失敗してはいないと認識しています。Mac、iPodの頃から何も変わらず、他に流されず、独自の道を歩んでいる。
AppleWatchが成功するかは分かりません。しかし「独自の道」は見せてくれたとおもっています。
iPhone6 Plusは先日購入し、使い始めました。最初の感想は、「これはファブレットでは無く、大きな画面のiPhone」だという事です。
結論はもう少し使ってから下したいと思います。
先ずはディスプレイとカメラが素晴らしい。
何故、市場を独占する事だけが正義なのか?
市場を操る核を牛耳るだけで、サードパーティーと共に市場を拡大する。それは成功ではないのか?
決して失敗ではないと思う。
それに、自慢のデザインを覆い隠す事を大っぴらに肯定する事は、ユーザーを不安にさせるだけではないのか?
ケースありきでデザインしているのならば、あのDラインは受け入れてもいいのかもしれない。だがそうではないはずだ。
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