[こんなデカい iPhone を使うことになるのだろうか:MG Siegler]
間近に迫った今年の iPhone 6 のウワサがこれまでと違うのは新しく2つのスクリーンサイズが登場するだろうという点だ。
これまでの例に従えば、今年はスペックアップだけの “S” の年ではなく大幅なデザイン変更が行なわれる年だ。しかしほんとうに2つも新しいサイズが登場するのだろうか。
John Gruber が大胆な推論を展開している。
これまでのリークからみて、どうやら2つのサイズというのは間違いなさそうだと Gruber は考える。
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火の無いところに煙は立たぬ
今や「4.7 インチおよび 5.5 インチの2つの新しい iPhone」というウワサをめぐる煙が立ちこめているが、火の無いところに煙は立たない。来月アップルはそのように発表するのではないかと自分は思う。「アップルの計画に詳しい」筋からの情報という意味ではなく、これら2つのサイズを裏付ける部品のリークがあまりに多すぎるという単純な理由からだ。
At this point, there’s too much smoke around the “two new iPhones, one at 4.7 inches and the other 5.5 inches” narrative for there not to be a fire. I think that’s what Apple is planning to announce next month — not because anyone “familiar with the plans” has told me so, but simply because so many parts have leaked corroborating these two sizes.
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Gruber はこれまで新しい iPhone のスクリーンサイズを予想する際にピクセル密度[PPI:pixels-per-inch resolution、画面解像度]を根拠に考えてきた。この問題を解決しなければ iPhone の新ラインアップの予想ができない。
ピクセル密度という点で、アップルはこれまでつぎのような対応をしてきた。
1)初期のスクリーンサイズ
物理的サイズが 3.5 インチだったときのピクセル密度は 163 だった(@=163)
2)iPhone 4 の Retina 化
物理的サイズは 3.5 インチのままでピクセル密度が 326 に倍増した(@2x=326)
3)iPhone 5 の 4 インチスクリーン
アスペクト比(aspect ratio)を 3:2 から 16:9 へ変更し、縦方向のピクセル数は増やしたがピクセル密度は同じ 326 のままだった(@2x=326)
2つの新しいスクリーンサイズが本当だとして、これらのピクセル密度がこれまでアップルのやり方と齟齬せずに説明できるのだろうか。
4000語を超える精緻な議論(それとも John Siracusa ばりの偏執狂的細密論?)の結論はつぎのようなものだ。
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2つのスクリーンのピクセル密度
4.7 インチスクリーン:ピクセル密度 326 PPI(@2x)
5.5 インチスクリーン:ピクセル密度 461 PPI(@3x)
4.7-inch display: 1334 × 750, 326 PPI @2x
5.5-inch display: 2208 × 1242, 461 PPI @3x
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スクリーンサイズ、アスペクト比、ピクセル数、ピクセル密度のほか、UI で使われる仮想的な point という考え方を導入しているところが目新しい。
それによればこれまでの「ダブル」Retina 解像度(@2x)ではそれぞれの UI point は 2 x 2 = 4 ピクセルだったが、新しい「トリプル」Retina 解像度(@3x)ではそれが 3 x 3 = 9 ピクセルになるという点だ。
そう考えることによってこれまでのアップルのやり方と新しい2つのスクリーンサイズとを齟齬なく共存させられるというのが Gruber の結論だ。
スプレッドシートやピタゴラスの定理などを駆使して行なわれた 4000 語を超える精緻な議論については、根気のある方はどうぞ原文でお読みください。
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いつもなら Gruber のいうことなら直ちに取り上げるマックサイトも、さすがに今回だけは反応が鈍い。
そんな中から2つだけ反応を・・・
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なんとムダな議論
Stay Real @StayRealPlease
なんとムダな議論をしたもんだ。2、3週間待てばこんな無意味な議論をしなくても結果は分かるのに・・・
@gruber what a freaking waste of time. And FYI you can just wait 2-3 weeks to know such an irrelevant information.
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数学教授 Gruber
MG Siegler:ParisLemon
数学教授の John Gruber がピタゴラスの定理を使って新しい大きなスクリーンが実際にうまくいくだろうと説明している。
Math professor John Gruber breaks down both Pythagorean Theorem and how the new, larger iPhone screens may work.
先日 Android の 5.5 インチでバイスを見かけたが、そんなものを自分が毎日使っている姿など想像もできない。もっとも、半年後には前言を取り消すハメになるかもしれないが・・・
I saw a 5.5-inch Android device in a store the other day — hard to see myself using something like that day-to-day. But let’s check back in six months — I’ll probably be eating my words.
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新しい2つのスクリーンサイズの可能性を認めたところで、つぎは新しい iPhone 6 ラインアップの予想というはこびになる・・・
「iPadがワイドサイズになったらみっともない。」と誰かが言っていた。
画面の縦横比は変わら無かったが、残念ながらボディは縦横比が変わってしまった。
iOS7からのUIガイドラインで画面比率に依存しないようなGUIを推し進めていたから、こうなるであろう事は察しがついていましたが…
6の大型化によってiPadとの差別化を曖昧にして、スマートフォンとタブレットの境をうやむやにするつもりでしょうか?
意味のないバリエーションで誤魔化そうとしているような、一昔前を思い起こさせる感覚がしてなりません。
確かに@3xの噂はでていますが、アプリ開発から考えるとこれはありえないですよ。
解像度基準で考えて480×320を3倍にしないとおかしなことになります。
1136×640が@2xなので、@3xになると1707×960となり、これを物理的に大きくなった4.7インチと5.5インチにあてはめるので、もちろんppiは@3xにはなりません。
5cでその兆候を示していたものの、これまで頑なに維持して来たiPhoneの
(実質的)ワンモデル展開を覆したのは何故なのか。
間違い無くAppleなりの答えが用意されていると思われます。
解像度がどうなるかよりも、画面の大きさをどの様に活用するのか、
筐体の大きさをどの様なカバーするのか。とても興味が有ります。
現在発売されている、いわゆるファブレットと呼ばれている端末には全く
魅力を感じていません。帯に短し襷に長し。これを体現する使い勝手だから
てす。(店頭や、知人のズルトラを弄ってみた限り、ですが)
素人考えでは、今回の2モデル展開の意図は全く読み取れません。
スマートフォン単体での機能追加は臨界に近づいていると思われますので、
どんな回答をAppleが見せてくれるのか。
自分が選択するのは何方なのか。。。楽しみです。
なるほど、異なる画面サイズを持つiOSデバイスでアップルが重要視するのは総ピクセル数や解像度でなくユーザにとっての表示サイズということか。たしかにJohnの導きだしたスペックなら、大きいiPhoneが大きめの表示サイズでより多くのコンテンツを表示しつつ、高い解像度も持つことができる。となれば、アンドロイドの多種多様な画面サイズのフラグメンテーションに対するアップルの返答だともいえる。
問題は今までのアップルの主張と食い違う点をにどう整合性を持たせるかということだ。
#1. 4インチサイズが片手で操作するのに最適
#2. 普通の人にはretina display以上の解像度を判別できない(だから不要)
#1はいろいろな手のサイズの人がいるとか、最近は両手で操作する人が多いとかなんとでも言えるだろう。しかし#2に対する合理的な説明は思い浮かばない。不必要な筈の461ppiのメリットをどう説明する?
ひょっとしてまたぞろ『アップルはretina displayを再発明した』とか言い出すのではないか。愚かな我々は、ラップトップの筐体にはチタニウムが一番だとか、Velocity Engine(Altivec)はIntelより優れているとか、アップルの巧みなマーケティングの呪文を信じては裏切られてきた歴史がある・・・。
[…] 先日のスクリーンサイズについての議論を敷衍した2時間をこえる長時間ものだが、ラインアップについては[1時間 58 分]あたりから。 […]
この直前予想、蓋を開けてみると・・・
予想
4.7-inch display: 1334 × 750, 326 PPI @2x retina
5.5-inch display: 2208 × 1242, 461 PPI @3x retina
結果
O 4.7-inch display: 1334 × 750, 326 PPI @2x retina
X 5.5-inch display: 1920 × 1080, 401 PPI @2.6x retina
4.7-inchは見事的中。たしかに新機種はiPhone 5sと比較して次の3条件を満たしていた。さすがGruber師匠だ。
1. UI表示サイズはほぼ不変 (163 point/inch)
2. より多くの内容を表示 (568 × 320 >> 667 × 375 effective points)
3. 画素密度(pixel/inch)の劣化はない (326 >> 326 PPI)
5.5-inchは惜しくも外れ。でも完全に間違っていたわけではない。むしろOSのレンダリングする解像度は師匠のいうとおり2208 × 1242だったのだが、それをiPhone 6+の5.5-inch display (1920 × 1080)にダウンサンプリングして表示させるという手を使ったのだ (2.6x retina相当)。こうすると何がいいかというとネイティブ3x retinaにともなう問題点、すなわち2208 × 1242, 461 PPIのディスプレイは高価、バッテリーにも厳しい、あるいは5.5-inch, 1920 × 1080では表示が拡大する分、4.7-inchより表示内容が少ないというジレンマを一挙に解決できてしまうのだ。まさにアップルマジック、これと似たディスプレイのスケーリングのハナシが前にもあったのを思い出す。
しかし、今回の解像度設定は諸事情に配慮しての苦肉の策であり、目でみえないレベルで画像は劣化しているわけで、いずれはダウンサンプリングの必要ない3Xネイティブのディスプレイを載せてくることになるだろう。するとiPhone 7/7+はこうなるだろうか。
4.7-inch display: 1920 × 1080, 469 PPI @3x retina
5.5-inch display: 2208 × 1242, 461 PPI @3x retina
[…] 珍しく Gruber 発のウワサだが、来年が “S” の年(大幅なデザイン変更が行なわれる年ではなくスペックアップだけの年)であることを考えると、「カメラの飛躍的改良」は大いにありそうな気がする・・・ […]