[李克強副首相と会見する Tim Cook:photo]
中国に向けて風が吹いている。
そんな気がするニュースが続いている。
突然北京に姿を現した Tim Cook をめぐって、なぜ中国に行ったのか様々な論議が交わされた。
アップル広報は、Cook が中国高官に会ったことまでは明らかにしたが、それが誰で何の目的だったかは黙したままだ。
28日になって中南海で副首相と会見したことが明らかになった。
WSJ.com: “Apple CEO Tim Cook Meets With Chinese Vice Premier Li Keqiang” by Loretta Chao: 28 March 2012
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中南海での会見
国営 China Central Television テレビの水曜日のイブニングニュースで、李克強氏が Tim Cook 氏と中南海で会見したことが放映された。中南海は党・政府要人の居住区として厳重に警備されている場所だ。
In its evening news broadcast on Wednesday, state-run China Central Television showed Mr. Li meeting with Mr. Cook at Zhongnanhai, the closely guarded compound here that houses China’s top leaders.
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中南海は政治的に特別な意味を持つ場所だ。
中国にとって重要な賓客を招いて行なわれる会見の場であり、国の立場を内外に知らしめる意味を持つ。
国営通信社新華社の報道をそのままロイターが伝えている。
Reuters: “中国、アップルCEOに知的財産権の保護拡充を確約=新華社“: 29 March 2012
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中国、知的財産権の保護拡充をアップルCEOに確約=新華社
[北京 28日 ロイター] 中国の李克強副首相は、訪中している米アップルAAPL.0のクック最高経営責任者(CEO)に対し、知的財産権の保護拡充に努めることを確約した。新華社が28日報じた。
副首相は「経済発展の変革と技術革新の進展に向け、対外的に一段と開放することが条件となる」と述べた。
報道によると、副首相は多国籍企業が中国で労働者に一段と配慮するよう求め、クックCEOは法を順守し誠実に事業展開すると述べた。
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一民間企業のトップが中南海に招かれた。
Foxconn 問題は中国にとっても対応に苦慮する問題だ。
世界の低賃金・低スキルの「タコ部屋」と見られたくないことは中国とて共通だ。
アップルの労働環境改善報告書はその意味で中国にとって歓迎すべきものだったのではないか。
そのことが一民間企業を中南海に招き入れるという異例の対応の背景にあったのではないだろうか・・・
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この会談の直前 iPad はやっと中国強制認証マーク制度(CCC)の認証を受けた。中国への製品輸入ために必須のものだ。
Computerworld: “New iPad clears China regulatory hurdle” by Michael Kan: 26 March 2012
iPad の CCC 認証
China Quality Certification Center[中国質量認証中心(CQC)]のウェブサイトによれば、iPad はやっと中国強制認証マーク制度(CCC)の認証を受けた。iPad を中国国内で販売するためにはこの認証が必要だ。
The iPad device was granted the China Compulsory Certification by the China Quality Certification Center according to the regulator’s website. The certification is a mandatory stamp necessary for Apple to sell the device in the country.
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アップルに「知的財産権の保護拡充に努める」と確約したことが残された問題にどう影響するのか容易に想像できそうだ。
アップルが正攻法で対処したことが中国の認めるところとなったのではないか。
アップルにとって手つかずの中国市場がいずれ開かれることは誰にも分かっていた。
Steve Jobs にできなかったことを Tim Cook が成し遂げた。
中国という巨大マーケットに風穴が開く瞬間が近づいている・・・
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