[マックの 25 年を一望にできる画像はこちら]
アップルお気に入りのライターで Newsweek から Wired へ転身した Steven Levy が、昨年暮に興味深い記事を書いている。
Wired: “25 Years of Mac: From Boxy Beige to Silver Sleek” by Steven Levy: 22 December 2008
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感傷のかけらもない
アップルマッキントッシュの 25 周年がくるが、Steve Jobs の目には感傷のかけらもない。昨年 10 月、シリコンバレーのアップル本部でユニボディのラップトップが発表されたとき、マックの誕生日のことを彼に聞いてみた。Jobs にはノスタルジアなんかこれっぽっちもなかった。「そんなことは考えてもいない。1997 年にここに戻ってきたとき、スペースが必要で探していたら、古いマックその他がいっぱい保存されているのを見つけた。そこでいってやった。『どこかへやっちまえ!』と。ガラクタを全部スタンフォードへ送りつけてやった。この業界では過去など振り返っていたらツブされてしまう。前を見て進まなきゃいけないのだ。」
It’s the 25th anniversary of the Apple Macintosh, but Steve Jobs’ eyes are dry. At the company headquarters in Silicon Valley, where he was presenting a set of new laptops to the press last October, I mentioned the birthday to him. Jobs recoiled at any suggestion of nostalgia. “I don’t think about that,” he said. “When I got back here in 1997, I was looking for more room, and I found an archive of old Macs and other stuff. I said, ‘Get it away!’ and I shipped all that shit off to Stanford. If you look backward in this business, you’ll be crushed. You have to look forward.”
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マックはなお高みを目指す
これこそ 25 才になるマックを驚くべき存在たらしめているものなのだ。25 年といえばコンピュータの世界では 10 のグーゴル乗という無限の時間といえる。それでもなお前進が可能なのだ。マックの当初の競争相手といえば、緑のリン光ブラウン管の RadioShack や DEC 、当時としては不可思議な存在だった IBM などだが、それらは文字どおり埋め立てゴミと化した。にもかかわらずマッキントッシュはなお生き続け、歴史上でも一番いい時期を謳歌している。このところアップルについては iPod やiPhone が注目を浴びて、クリックホィールやタッチスクリーンのおかげで、マックのシェアが二桁になんなんとするのに気がつかない。それも Jobs が 12 年も前にアップルから追われた 1997 年にはたった 3% だったのだ。どういってもいいが、ウインドウズが衰える一方で、マックが増えていることだけは間違いない。目覚めよメトセラ!マックはなお高みを目指すのだ。[注:Methuselah:メトセラ、創世記に登場する 969 才まで生きたノアの祖父]
Here’s what’s amazing about the Mac as it turns 25, a number that in computer years is just about a googolplex: It can look forward. The Mac’s original competition—the green-phosphorus-screened stuff made by RadioShack, DEC, and then-big kahuna IBM—now inhabit landfills, both physically and psychically. Yet the Macintosh is not only thriving, it’s doing better than at any time in its history. Much of the attention directed at Apple over the past few years has focused on new products like the iPod and the iPhone. Click wheels and touchscreens have distracted us from the news that the Mac market share has quietly crept into double digits. That’s up from barely 3 percent in 1997, just before the prodigal CEO returned to the fold after a 12-year exile. Any way you cut it, the Mac is on the rise while Windows is waning. Roll over, Methuselaムthe Macintosh is still peaking.
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Think Different
どんな製品も大衆化すると以前の輝きを失ってしまう。だからユーザーが 3000 万人になってもマックユーザーであることがステータスになるのは実に驚くべきことだ。マックのシェアが今後増え続けてもそうだろうか。5000 万のひとがマックを使うようになってもなお「ひととは違った考え方をする」(thinking different)といえるだろうか?1億人になったらどうか?いずれ答は出るだろう。
Generally, when products go mass market, they lose their edge. So it’s remarkable that with 30 million users, being a Mac person is still a statement. If the Mac share keeps growing, will that stay true? If 50 million people are using Macs, does that mean they’re still “thinking different”? How about 100 million?
We may just find out.
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アップルファンは律儀に思い出す。マッキントッシュが発売された日、アップルという会社が設立された日、Steve Jobs が生まれた日・・・。アップルにとって特別な日がやってくるたびに思い出すだけでなく、そんな特別な日には何か特別なことがあるのではないか、next big thing の発表があるのではないかとウワサする。
でもそれはアップルファンだけの思い込みで、Steve Jobs にとってはそんな感傷はいらないということなのだろう。
Technorati Tags: Apple, Steve Jobs, Steven Levy
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ノスタルジックな人生だからこそ、の行動なのだなぁ、とも感じました。
そう考えてみると、偉大でもあります。
ジョブズの社員への手紙、6月末まで休養へ…
こん○○は!!ホイヤーです。本日の更新は 「ジョブズの社員への手紙、6月末まで休養へ」と「日本発売から半年、iPhoneの購入意向はどう変わったか」他をご案内いたします。○アンク…
2004年は、Mac生誕20周年の年でしたが、それに関することはなにもありませんでしたね。
今年もそうなのでしょう。
Appleのようなメーカーには、ナントカ記念とかいうことなど無視しているそういう態度が、もっとも似合うと思います。
>ガラクタを全部スタンフォードへ送りつけてやった。
そういえば、ジョブズが戻ってきたときの伝説的な話のひとつに、「20th Anniversary Macを窓からほうり投げた」というのがありますが、このときのことでしょうか。
20th Anniversary MacはAppleの創業20周年記念のスペシャルマシンとして一部で人気がありましたが、ジョブズには不評だったと言われてます。
あるいはジョブズは、マシン自体の出来以外に、そんな記念的なことでそういうマシンを作ったことに対して腹を立てたのだろうか、などとふと考えました。
> ぺをを さん
レガシーマックを切り捨てて行く Jobs のやり方は 昔から変わらないようですね
http://maclalalaweblog.wordpress.com/2007/01/21/サヨナラの代償/
レガシーを切り捨てられない Microsoft の方が むしろ古いものを大事にする・・・
http://maclalalaweblog.wordpress.com/2006/05/07/マイクロソフトは本気だ/