[成功報酬としてのストックオプション:image]
アップルが米国一の企業に躍り出て以来、アップルに厳しい視線が注がれている。
アップル株価の不調もあって、さまざまな問題点が指摘されるようになった。ついにはデザイン部門の暴走説までささやかれる始末。
もしアップルに問題があるとすれば、真の問題とはいったい何だろうか?
だいぶ前の記事だが、Guy English の指摘が示唆に富んでいる。
kickingbear: “Three Things That Should Trouble Apple” by Guy English: 24 May 2012
アップルがいずれ遭遇することになる問題は次の3つだというのだ。
1)Content Management(コンテンツ管理)
2)iTunes
3)People(人材)
3番目の人材の問題が興味深いので詳しく見てみよう。
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ストックオプション
オリジナル iPhone の開発メンバーが株をもらったのは 2005 〜 2006 年のことだった。iOS 2.0 を開発したメンバーが株をもらったのは 2007 〜 2008 年だ。その後の iOS デバイスの進化とそれを支えたひとびとのことを考えてみよう。その上で、個人的な時間を投資することで得られる報酬と、会社にとっての利益とを比べてみよう。iOS が発表されたのはずっと前の 2007 年だった。オリジナルメンバーがストックオプションを与えられてから5年経っている。現在われわれが目にしているような iOS になってから数えれば3年かもしれない。当時の株価と現在の株価はどう変わったか・・・
The team that worked on the original iPhone were granted stocks back in 2005-2006. The people who joined them to make iOS 2.0 what it was were granted stock back in 2007-2008. Look at the progression of iOS devices since then and consider the people behind it. Then consider the remuneration schemes based on how much of their personal time they invested versus the benefit to the company. iOS was launched back in 2007. It’s been five years since the original team were granted stock options. It’s been maybe three years since the team that has defined what we now know as iOS were granted options. Look at the share price then and look at the share price now.
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アキレス腱
結局のところ、人材を継続して確保できるかどうかがアップルのアキレス腱だろう。
Ultimately, the retention of talent will be Apple’s Achilles’ heel.
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iOS プロジェクト
優れた人材は優れた仕事をしたいと思うのが常だ。それが素晴らしいひとつのプロジェクトに実ることもある。この10年でいえば、iOS がそんなプロジェクトだ。
The smartest people will always want to be working on the smartest thing. Sometimes that comes together in one amazing project. iOS has been that project for this decade.
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次なる飛躍(Next Big Thing)
もしもアップルに問題があるとすれば、それはアップルがすでに未来を形作ってしまったことだ。もう終わっているのだ。聡明で優れたエンジニアやプロダクトマネージャーは次なる冒険に挑むかもしれない。それが成功する確率は大きくないかもしれないが、アップル株のどしゃ降り状態[?]を考えれば大した問題ではないのだ。どうなるか慎重に見守る必要がある。
If there’s a problem for Apple it’s that they’ve already invented the future. It’s a done deal. The best and brightest engineers and product managers may move on to other ventures. Less likely to succeed, of course, but that’s less of an issue for them given the rainfall of AAPL gains. We’ll have to see what happens.
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アップルの人材については Dan Frommer も興味深いツィートをしている。
辞めて行く人材
決して科学的に調査したわでけはないが、自分が Twitter でフォローしているアップル社員のほとんどがこの9か月内に辞めている。どういうこと?
This is not at all a scientific study, but most of the Apple employees I follow on Twitter have quit within the last ~9 months. Huh.
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Guy English と Dan Frommer の指摘を踏まえて、John Gruber は人材の確保こそアップル最大の問題だという。
Daring Fireball: “Apple’s Biggest Problem: Retention of Talent” by John Gruber: 08 February 2013
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人材の問題が最重要
Guy English の挙げている3番目の問題が最重要だと思う。
Methinks Guy English’s #3 problem that Apple faces should have been #1:
ハッキリさせておきたいが、これはエクソダス(大量脱出)などではない。全然違う。アップルが保有している大量の優秀な人材をいかに継続して保持できるかといういつまでも続くチャレンジなのだ。
To be clear, this is not an exodus. Far from it. But it’s a continuous challenge for the company to retain the enormous number of talented people it employs.
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アップルの株価がどれだけ下落しようと、株主や一部投資家の問題でユーザーとは関係ないと思っていた。
しかしストックオプションというインセンティブを考えるとそうもいえないのかもしれない。
仕事のやり甲斐と報酬のバランスはなかなか難しい問題だ。しかし成功報酬としてストックオプションが使われているのは事実だ。
自分たちの努力で生み出した製品が成功して、株価が上がり、自分に与えられたオプションを行使する時点で大きな収入となることがその前提だ。
しかし空前の利益を上げて米国一の企業に躍り出た 2011 年、これ以上の結果は出せないとすら思えたクリスマス四半期のときですら株価が下落した。
刻苦精励して新製品を生み出しても、ストックオプションの前提となる株価が下がったりしたら目も当てられない。
次なる飛躍的製品(Next Big Thing)までの行程はかなり長いかもしれず、そうなればインセンティブは失われ、他企業へ転出、あるいはスタートアップに転身する人材が出てもおかしくはない。
常に優れた製品を生み出してきたアップルのような会社にとって優れた人材を維持できるかどうは死活問題だ。
最近になってアップルを辞めたトップレベルの幹部は少なくないが、マネージャークラスになるとその数はもっと多いかもしれない。
アップル株価が正当に評価されないことが人材流出とも微妙に関係してくるとなれば、ひいてはユーザーにとっても問題だ・・・
★ →[原文を見る:Original Text]

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見方をかえれば、脱ジョブズ、新生アップル誕生の機が熟しつつあるのかな、とも思います。
順調のままだと、組織はなかなか変化できないし、長い目でみれば、それがアップルを本当の危機へ追い込むように思います。
ジョブズなき今、いかに速やかに「ジョブズなしのアップル」になれるかが、勝負じゃないかと。
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